より良い未来が待っています(タイの奨学生)
パリチャット・バルン(パン)は14才。ダルニー奨学金を受けタイ東北地方にあるブリーラム県の中学校に通う2年生です。
両親と姉がタイの南部にあるラヨーン県に日雇い労働者として出稼ぎに行っているので、パンと7歳の弟は、祖父母の家に預けられています。
祖父母は、農業で生計を立てていますが、その収入はわずかで一生懸命働いても二人の孫を養うのがやっとの生活です。彼らが暮らす狭い家に2人の孫も同居することになり、皆は肩を寄せ合うように生活しています。
パンの暮らす村では、土がやせて硬く農地になる土地が少ないため、その多くが小作人です。祖父母も同様で農地を持たない小作人のため彼らは家の周りの空き地に、バジル、ピーマン、レモングラス、空心菜、レモン、トウモロコシやバナナを植えて、同じ場所にアヒルや鶏を家畜として飼いその卵を売り、週200-300バーツ(日本円で約700-1,050円)の収入を得ています。
彼女の1日は、野菜の水やりと家畜の餌やりに始まり、学校から帰ってくると弟の世話もしなくてはなりません。毎日忙しく家の手伝いをする彼女を先日訪ねたとき、奨学金を受け取れるという知らせを聞いた時の話をしてくれました。「学校でダルニー奨学金を受けて中学校に行けると初めて聞いたときは信じられな程、嬉しかったです。その日は、家に走って帰り祖父母にこの知らせを伝えました。祖父母も私も支援者の方には心から感謝しています。私は学校での成績は1番ではありませんでしたが、支援者の方の気持ちにお答えするためにも一生懸命勉強しよう!と心に決めました。」さらに、「奨学金は、学用品、体操着に使いました。制服はお姉さんのおさがりがあるのでそれを着ます。余ったお金は、将来、本が必要になった時に使う予定です。支援者の方には、教育支援と、それ以上に教育を受けることでより良い生活を送るチャンスを下さったことに心から感謝しています。一生懸命勉強して、知識を沢山身に付けることをお約束します。」と続けました。
家の中で
中学校を卒業したら職業訓練校(日本の工業高校や商業高校にあたる)に行きたいと思っています。そして、技術を身につけて安定した職につき家族を養い弟を学校に行かせたいとも考えています。
パンのような経済的に恵まれない子どもたちにとって奨学金は単なる教育支援にとどまらず、彼らに希望を与え、将来の選択の幅を広げるのです。
タイの締切は3月20日です。