ベトナムの奨学生から、⽀援者様へお⼿紙が届きました~新型コロナウイルス感染拡大を受けて~2
現在、新型コロナウイルス感染拡大防止のため、全国に緊急事態宣言が発令されています。そのような状況を心配し、ベトナム・タイビン省におけるダルニー奨学金を受けている中学生2名が支援者様にお手紙をくれました。前回は、そのうちの1人、トラン ア ホアンさんのお手紙と日本の支援者K. S.様のお返事をご紹介しました。
(詳しくは、/news/letter-from-tran/をご覧ください。)
今回は、もう1人のドゥ ヴィエット タンさんが、日本の支援者・川田様に宛てたお手紙と、そのお返事を紹介します。奨学生の手紙には、日本における新型コロナウイルス感染拡大を受けて、支援者様やご家族を心配していること、自分は支援を受けてどんなに幸せだと思っているかや、家族の現状について書かれていました。支援者様のお返事には、タンさんを元気づける心優しい言葉がつづられています。私も、奨学生と支援者様のお互いを思う気持ちに触れて、また頑張ろうと元気をいただきました。暗いニュースと自粛ムードに心が折れそうな昨今、今回のお手紙は、暗くなった心を照らす光のように感じました。そして、今度は、自分が周りに元気や勇気を与える側になりたいと思います。
以下に、奨学生からの手紙と支援者様からのお返事をご紹介いたします。
奨学生からの手紙
川田 啓一 様
私の名前は、ドゥ ヴィエット タンです。タイビン省 ブゥ ツ 地区にある ミン ラン 中学校の2年生です。川田様とご家族のご健康と幸せを願いながら、この手紙を書いています。
奨学生からのお手紙
手紙を書くタンさん
新型コロナウイルスの感染拡大は全世界に広がり、ベトナムの経済に与える影響も大きく、多くの人々が大変厳しい状況に直面しています。私は、いつも日本の皆様が安全であること、この困難を乗り越えられることを心よりお祈りしています。
私が受け取っている奨学金は、あなたが一生懸命働いて稼いだお金だとわかっています。こうして、あなたから援助をいただいていて「自分は恵まれている」といつも感謝しています。特に、今回の新型コロナウイルス感染拡大で、よりいっそう、自分は周りの人たちよりも、幸運であることに改めて気づかされるのです。私自身の両親、そして、友人の両親も、感染拡大を理由に雇用先からの解雇を言い渡され、収入が全くなくなっています。多くの家庭では、感染拡大が収まった後でさえも、子どもたちを学校に通わせるのに十分なお金がないことが予想されます。私の友人や、私の幼い弟たちも、この先、学校に通い続けられるかどうかわかりません。しかし、私の場合は、あなたからの奨学金のおかげで、学業を継続できるので、心から安心していることができます。あなたには、どれだけ感謝の言葉を伝えても足りないです。
2人の弟と
近所の道路を掃除する兄弟
現在、感染拡大防止のため学校は閉鎖されていて、再開の知らせが来るまで、私たちはまだ自宅待機をしなければなりません。学校に戻り、先生や友人たちと再会し、新しい知識を得ることができる日が1日も早くやって来ることを、楽しみに待っています。そして、近い将来、あなたがベトナムを訪れ、私の故郷、学校、クラスを見に来られることを心待ちにしています。私の住む町の人は貧しいのですが、皆とても優しく、おもてなしの心にあふれています。あなたとベトナムでお会いできる日を心待ちにしています。
あなたと、あなたの愛する人たちが、健康で平穏に暮らせますようお祈りしています。
ドゥ ヴィエット タンより
支援者様から奨学生へのお返事
親愛なる(愛する) Viet Thang Doさんへ
こんにちは!お手紙をいただき、ありがとうございます。
新型コロナウイルスの感染は全世界、地球的な規模の課題になっており、人々を苦しめ続けています。日本でもこの数日間で感染者が急増しています。この状況を一刻も早く乗り越え、平穏な日常生活が戻ってくることを願っています。
このような状況の中で、Thangさんからお手紙をいただき、久しぶりに幸せな出来事に出会えたことに感謝しています。ベトナムの言葉はわかりませんが、直筆のお手紙を拝見し、とても丁寧できれいな文字からThangさんの気持ちが伝わってきました。また、写真も拝見することができました。兄弟3人仲良く元気な姿を見て微笑ましく感じました。すてきなものをお送りいただきありがとうございました。
お父さん、お母さんも解雇になったとのことで厳しい状況となりましたが、ご家族のみなさんで力を合わせて、この状況を何とか乗り越えられるように日本から祈っています。Thangさん、ご家族のみなさまも、感染防止に最大限に注意して、ご自身の大切な命を守ることに努めてください。どんな状況になっても、Thangさんが中学校を卒業するまでは、経済的支援を継続させていただくことを固くお約束致しますので安心してください。
ベトナムには、未だ行ったことがありませんので、機会があれば是非一度、足を運んでみたいと思っていますし、あなたにも是非、直接、お会いしたいとも思っています。お父さま、お母さまにもよろしくお伝えください。
一緒に、この危機を乗り超えましょう!!
(夫婦で)
2020年4月18日
川田 啓一
「ダルニー奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際里親制度の教育支援システムです。
1日当たり40円、月々1,200円、年間14,400円の支援で、子どもが1年間学校に通うことができます。