ラオスのロケット祭り”ブン バン ファイ”のご紹介
今日はラオスのロケット祭り ブン バン ファイ(Boun Bang Fai)についてご紹介します。
ラオスの多くの人々の暮らしは農業で成り立ってきましたが、その暮らしの中で古くから行ってきた伝統的な祭りがこのロケット祭りです。このお祭りは、たいてい雨季が始まる前、田植え前の6月に行われます。その年に充分な雨が降り、干ばつや洪水から守られ、豊かな農作物が与えられるように豊作祈願としてロケットが空に向かって打ち上げられます。
このお祭りはそれぞれの村で行われます。かつては、飾り付けした竹に火薬を詰める形でロケットは作られていましたが、今ではガラスや金属など、様々な素材に火薬を詰めて作られるようになってきました。小さいものから大きいものまでサイズも様々です。サイズによって詰める火薬の量は違い、職人が一つ一つ計算して製造していきます。正確に計算して作らなければ、途中でロケットは壊れ、空には打ちあがりませんし、お祭りに訪れる人々を危険にさらしてしまうことになります。
ロケット祭り当日には、お坊さんへお布施する人々の姿もたくさん見られ、村人もそうでない人もこのお祭り中に開催される様々なイベントを一緒に楽しみます。ダンスパレードを行い、ラオスの民族衣装を着るだけではなく、男性が女性の衣装を着たり、鬼のような衣装を身にまとったりします。パレードと共に、その年の最も素晴らしいロケットを決める大会も行われます。より高く空に打ち上げたもの、そしてより美しく装飾されたものに高得点が与えられ表彰されます。ロケットがよく飛べば、作った職人たちは水の中に放り込まれ、もしロケットがあまり飛ばなかった場合は、泥水の中に放り込まれるか、米のお酒を飲まされます。
このロケット祭りは、十分な雨を与えてくれる神に感謝すると共に、村人が団結し楽しい時間を共に過ごすための大切なものなのです。
今年はコロナ禍でラオスでも都市部ではロックダウンになっている状況ですので、例年通りロケット祭りが各村で行えるかどうかは分からず、子どもたちの楽しみがまた一つ失われるかもしれません。子どもも大人も楽しみにしているこのロケット祭りが、例年通り楽しく安心して行えるようになることを願うばかりです。
ラオスについて
「ダルニー奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際里親制度の教育支援システムです。1日当たり40円、月々1,200円、年間14,400円の支援で、子どもが1年間学校に通うことができます。