ミャンマー事務所レポート③ 奨学生ピアエの家族
ぼろぼろの家の中に入るとおばあさんとお父さんがいました。
お母さんは近くの家でお手伝いさんをしているので、「すでに呼んできます」と言って奨学生のピアエは外に飛び出していきました。
仕事について尋ねると、お父さんは「他人の家で牛の世話をして月5,800 円の給料をもらっています。
おばあさんはヤンゴン区のすぐ近くのイラワジ区に住んでいます。
糖尿病で目がよくみえないので、今日はお医者に診てもらうためにここに来ています。
ミャンマーの伝統的な薬で治療しています」と答えました。
そこへお母さんが帰って来たので、やはり仕事について質問しました。
お母さんは「朝7時ぐらいから夕方の6時ぐらいまで、近くのお金もちの家で家事の手伝いをしています。給料は1日120~170円です」。
家族は両親、子ども4人、それにおばあさんの7人。両親の貰うお金では生活費が全然足りないそうです。
4人の子どものうち一番上の長男は結婚して親元を離れて生活していますが、彼も自分の家族を支えることに苦労しているとのことでした。
次男は車の運転手の手伝い。3番目が奨学生のピアエで、塾に通えないので学校の成績は中の上くらいとのこと。
<お父さん、お母さんと奨学生のピアエ>
授業でわからないことがあると先生はただで説明してくれるので「先生は私にとって大事な恩人です」と答えました。
ピアエは彼女の家の家事をすべて1人でやっています。
今、住んでいる家も他人の土地で、ひと月土の借り代670円払っています。
最後にお母さんは「自分はもう54歳だし、あまり元気じゃない。もし急に自分が死んだら、自分がお手伝いの仕事をしている家で預かってほしいので、そのお願いをしています」と涙声で言いました。