カンボジア訪問がきっかけで、支援の輪を広げたいと決意!
今年からメコン5カ国の子ども5人の奨学金支援を開始した安田さん(大坂在住の経営コンサルタント)は、11月初旬にカンボジアの奨学金提供地域を訪れました。
貧困のため就学が困難な子どもたちが奨学金支援で勉強を続けることができる現状を目の当たりにした安田さんは、滞在中にブログで現地報告(11月4日と5日)を発信してくださいました。
また、帰国後、ご自身が経営する会社のニュースレター「元気つうしん12月号」で、現地訪問の様子や奨学金支援を呼びかける記事を書いてくださっただけでなく、民際センターのパンフレットも、ニュースレターに同封してくださいました。
安田さんに、カンボジアでの現地体験だけでなく、奨学金支援のきっかけや今後の支援活動などについても質問させて頂きました。
【Q1】ダルニー奨学金を知ったきっかけと、支援理由は?
私は世界中の子どもに夢や希望を持ってほしいと考えており、海外事業展開も種まきをはじめた段階です。
だから今できることを探してみようとインターネットで民際センターを見つけたのです。
色々なNGOやボランティア団体のホームページを見ているうちにたどりつきました。
井戸を掘ったり学校を建設したり…支援の形は色々とあるようですが、子どもたちが自分で生きる力を得るには教育が必要ですし、そうした子どもたちが未来のリーダーになると、その広がりは果てしないと思ったので奨学金がいいと考えました。
あとは「支援奨学生の成長が実感できる里親型の寄付制度」と「支援先にミャンマーが含まれる」ことが民際センターを選択した要因です。
仕事の関係で何度かミャンマーを訪れた時も、貧困地域に暮らす子どもたちの厳しい現状を見たことが今でも印象に強く残っています。
「寄付制度」ですが、私は未来に対する投資だと思っています。経営者が後継者を育てるように、次の世代に向けて何かしていかなければなりません。
未来を担う子どもたちが、今よりよい社会を形成していくためには教育が不可欠です。
これから10年もすれば奨学生が社会に出ていきます。
誰かが世界を、世の中を、社会を変えるかもしれません。
また、そんな大きなことでなくても、この子どもたちが夢や希望をもって大人になり、社会に出て、また幸せな家族を形成していく。
そのような子どもたちが世の中にあふれていく。
そんな社会が素晴らしいと私は考えているので、だから「投資」なのです。自分が素晴らしいと思える未来に対する投資です。
【Q2】なぜ、カンボジア訪問を決意したのですか?
昔から貧困などが理由で多くの人が厳しい生活を強いられているというイメージと有名なアンコールワット遺跡だけが、私の知るカンボジアの全てでした。
しかしカンボジアに行きたいと決意した後、カンボジアに関する本を3冊読みました。
そのなかでポルポト時代の悲しい歴史、現在のカンボジアがかかえる多くの問題を知るにいたり、行きたいという願望がどんどん強くなっていきました。
【Q3】カンボジアでの体験はいかがでしたか?
私がカンボジアから発信したブログから抜粋、補足し、報告させて頂きます。
民際センターカンボジア事務局(EDF Cambodia)の案内で、同センターが奨学金支援事業を行っているいくつかの中学校と複数の奨学生家庭の訪問、そして私が今年から奨学金支援を開始した学生さんのお宅も訪問させて頂きました。
コンポンチュナン県TEUK HAUT中学校を訪問した際には、生徒の皆さんや教師の方がたが盛大に出迎えて、歓迎の歌まで披露してくださいました!
<訪問学校による盛大な出迎え>
▼動画
<歌いながらの出迎え>
なんだかとっても照れてしまいましたが、歌を聴いているとジーンときました。
多くの子どもたちが中学校生活を楽しみ、学び、将来の夢への可能性を広げていくことでカンボジアの未来、そして世界の未来が変わっていきます。
その可能性を感じたことと、何より皆さんの温かいおもてなしに感動しました。
「いっぱい勉強して、いっぱい遊んで、未来への可能性を広げて、幸せになってください。」と、クメール語に通訳して、皆さんに伝えて頂きました。
中学校併設の女子寮にも案内してもらいました。
中学校の数が少ないため、家から中学校まで自転車で10キロ以上の道のりを通ってくる子も多く、さらに遠い地域に住む子どもたちはこうした寮に入ります。
この寮も日本からの寄付によって建てられたそうです。中では料理もできるようになっていて、子どもたちが寮生活を楽しむ姿が思い浮かびます。
<日本の寄付で建設された女子寮(写真上)と、以前の”女子寮”(写真下)>
今回学校を訪問させて頂くお礼に、学習キットのセットをプレゼントさせて頂きました。
自らこうしたものを購入する余力の無い家庭を予め校長先生に選んでいただきました。
<学習キットを手渡す様子>
学習キットをプレゼントすることで、私は自分の経営理念の追及の一歩を踏めるのです。
感謝されつつも感謝しつつ。でも何だかやっぱり恥ずかしい。
<授業見学と「将来何になりたいの」と質問>
将来何になりたいかという質問で一番多かったのは学校の先生で、次は看護師さん。会計士さんという生徒さんもいました。
カンボジア事務局長のChandyさんが「教師希望」の生徒が多い理由を説明してくれました。
農村部なので親は基本的に農業の仕事をしていますが、収入はよくありません。
子どもたちは、農業を手伝いながら学校に通うので、まわりの大人といえば農業か教師のどちらかなのです。だから「教師」希望が多いのだとか。
「いっぱい勉強して、いい先生になって、次の子どもたちにたくさん教えてあげてください!」と伝えてきました。
学校訪問のあとは3つの奨学生家庭を訪問。
内2つの家庭は、子どもが生まれてすぐに父親が失踪し、お母さんが女手一つで子どもたちを育てていました。
父親が失踪とはどうしてなんでしょうね。。。
でも、こういった苦境にめげずに子どもたちを育てるために頑張る母親の意地と底力が見えてきます。
お母ちゃんの愛情をたっぷり受けて、自ら幸せになることでお母ちゃんを喜ばせてあげてください!!
<支援奨学生の家庭訪問!>
2つ目の訪問中学校CHHIBACHROYで、私が支援する女子奨学生(11歳)と対面し、彼女の家庭を訪問しました。
家計は貧しく、獲ってきたカニを売ったり、ハーブを加工するなどして生計を立てているそうです。
「3年間、何がなんでも奨学金サポートを続けるので、勉強して、可能性を広げて、幸せになってください!」と通訳を介して、伝えて頂きました!
今回の訪問で、支援奨学生に直接会うことができ、彼女のはにかんだ笑顔を見ることで有り余るリターン(=投資収益)となりました。
つまり、私自身が、とても大きな元気・力を得ることができたのです。
あとは彼女がこれから学び、希望を持ち、幸せになっていくことが社会全体の利益になっていくと思っています。
【Q4】今回のカンボジア訪問がきっかけとなり、今後の支援活動に何か影響は生じるでしょうか?
奨学金支援だけなく、遠隔地に住む子どもたちが中学校に通い続けることができるように、自転車寄贈も継続的にできないだろうかという考えが浮かんできました。
実際、今回カンボジア地方農村部を訪問して、通学のため自転車を必要をする子どもたちが多数いることを実感しました。
しかし、自転車数がニーズに対し、圧倒的に不足しているため、通学が困難となり、中学をドロップアウトしてしまう子どもたちも多いそうです。
自転車通学に関しては、日本の地方農村部と同じです。
そう、多くの子どもたちは自転車通学です。でも自転車は新品だと1万円以上。中古でも6千円程度するそうで、日本の相場とそう変わりません。
毎日、1ドル稼いでは生活費で消えていく毎日を暮らす家庭に自転車の購入はとても難しいです。
民際センターの事業にも、自転車プロジェクトがすでにありますが、寄贈者はまだ少なく、必要とする子どもたちに行き渡っていないのが現状です。
そこで、私は、経営コンサルタントとしての企画力やネットワークを活用して、自転車寄贈に関して、新たな支援プログラムを、民際センターの協力で、立ち上げることを計画しています。実現できたら、私のブログで発表したいと考えています。
【Q5】最後に、カンボジア訪問を終えてのメッセージは?
この2日間、たくさんの子どもたちに会って「将来何になりたいか?」という質問を繰り返してきました。
毎日の生活もままならないのに夢の話なんかしてもいいのかと頭の中では悩んでいたのですが。
でも夢や空想や妄想は誰もがやれること。
そして私が大事にしている「語れば1歩近づく」ことと照らし合わせて、やっぱり聴き続けました。
教師になりたい。医者になりたい。看護師になりたい。歌手になりたい。などなど夢は様々でした。
すべて「誰かを元気にしたり幸せにできる仕事」ばかりです。
そんな子どもたちが自分たちの夢を実現することでこの国が豊かになり世界中に広がっていくのだと思っています。
しかし、学ぶだけでは夢は実現しません。そこにはチャンスが必要です。
でも学ばなければチャンスをつかめないし、チャンスがあることすら気が付かないかもしれません。学ぶことはチャンスをつかむ準備をすることです。
将来、どんな機会に恵まれるかわかりません。そうしたチャンスを増やすために誰もができること。
それはやっぱり「笑顔を絶やさないこと」です。皆の笑顔が最高でした。
この笑顔を絶やさないためには本人の気持ちと我々大人からのサポートが必要でしょう。私もがんばって応援します。
だから、いっぱい勉強して、笑顔でチャンスをつかんで、夢を実現して幸せになってください。
安田さん同様、あなたもカンボジアの子どもたちの奨学金支援をしてみませんか!