T様のタイ・奨学生訪問記
20年以上前からダルニー奨学金などで民際センターを通じて支援してくださっているT様が、昨年12月にタイ東北部・シーサケット県にある中学校を訪問されました。現在支援中のダルニー奨学生4名と、これから支援予定の奨学生1名に会うための旅です。タイ事業所とともに民際センターがコーディネートのお手伝いをさせていただきました。無事に帰国後、楽しい旅のお話をうかがうことができましたのでご紹介いたします。
訪問先の学校で歓迎を受けるT様(中央)
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タイ東北地方へは民際センターの研修旅行と個人旅行で数回訪れていますが、今回は十数年ぶりの訪問で、私は高齢で不安もありましたが、新型コロナウイルスの感染状況も少し落ち着いて、タイ出入国審査も簡素化されたので思い切って訪問することにしました。
■学校訪問前日
知人と一緒にバンコクにある民際センター タイ事業所に寄り、(民際センターが支援する)タイ東北地方の現状について説明を聞きました。新型コロナウイルス感染拡大の影響でしばらく奨学金が集まりませんでしたが、その状況も落ち着いてきたので、今後奨学金寄付は増えていくでしょう、とのこと。説明の後、事業所職員に美術館へ案内され、その後空港まで送っていただき、タイ東北部にあるウボンラーチャターニー空港へ。空港を出たとたん、バンコクの空気との差を感じました。タクシーでシーサケットのホテルへ向かいました。
■1日目
翌日は、支援生徒の通う学校の奨学金担当の先生が、車で1時間もかけてホテルに迎えにきてくれました。学校へ向かう車の中で先生から、今年度は新型コロナの影響で、この学校の新規のダルニー奨学生は2人に減り、全校生徒の人数も激減したと聞きました。車が校門をくぐり校舎の前に着くと、大勢の人が待っていました。旅程表では、この日は学校がお休みなので、私たちと先生2人と奨学生だけで学校の外観を見て回り、説明を聞いてから奨学生の家庭訪問をすることになっていたのですが、この学校にダルニー奨学金の支援者が来るのは初めてだったため、歓迎会を開くことにしたそうです。
学校職員たちとともに
先生方全員と全ダルニー奨学生および、私が支援している奨学生の家族の方々が歓迎会に集まってくれました。学校の歴史や部活動のVTRも見ました。歓迎会が終わり、家庭訪問に行く車の中で先生から、各家庭の庭にお米が干してあるので驚かないでくださいと言われました。日本でも私が子どもの頃は、農家では庭にむしろを敷き籾(もみ)を干していましたが、家庭訪問に行く途中の道路上にはブルーシートが敷かれ、その上に籾が干してあり、車が1台やっと通れる道幅になっていたのには驚きました。
支援している奨学生の各家庭を訪問し、保護者と生徒の現状、将来の希望などについてお話ができました。ある生徒は近所の家から時々仕事の手伝いを頼まれて1日200バーツ(約800円)ほどの賃金をいただいているそうです。
家庭訪問先のお宅にて、生徒・先生たちと
家庭訪問後に先生方と食事をした後は、2台の車に分乗して、寺院や湖の観光地へ案内してくれました。湖のキャンプ場にはたくさんのテントが張られていました。タイでもキャンプが流行っているそうです。
観光先の寺院にて
■2日目
学校に先生方と生徒が集合して、レンタカーに乗ってホテルで私たちと合流し、総勢11人で町のショッピングセンターへ向かいました。生徒には文房具などを購入し、昼食は初めてのピザを喜んで食べていました。生徒の中には初めてエスカレーターに乗った子もいました。
休日の楽しいひと時
初日は奨学生と初めて会った私(外国人)との距離がありましたが、買い物や食事をしてだんだんと距離が縮まり、私を「Tおじさん」と呼ぶようになりました。
先生方と生徒を学校に送り、記念写真を撮ってから別れ、私たちはホテルへ。先生方や生徒たちと行動を共にできたとても楽しい2日間でした。
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民際センターでは、支援者様が支援国や支援校を訪問される際に、学校や生徒との連絡を含めた旅のコーディネートをご要望に応じて承っています。新型コロナウイルス感染症も徐々に落ち着いてきましたので、訪問を検討される際には、お気軽に民際センターへお問合せください。