HOPE奨学金~現地のニーズに沿った支援~
ちょうど1年前にスタートした、高校生への奨学金制度 HOPE奨学金。
3月末にタイとミャンマーの奨学金の申込の締切を迎えましたが、タイは47名、ミャンマーは10名分の奨学金のご支援をいただくことができました。心より感謝申し上げます。今回はそんなHOPE奨学金について、どのようなところがダルニー奨学金と違うのか、そしてなぜ今必要とされているのかをご紹介いたします。
HOPE奨学金制度とは・・・
民際センターが長年行っているダルニー奨学金制度の高校生版。
ダルニー奨学金と同じ点
・1対1の国際教育里親制度で、入学から卒業まで同じ生徒を支援できる
・年1回の奨学金証書を通して、顔が見え、成長を見守ることができる
・経済的貧困が理由で教育を受けられない子どもたちを支援
・対象国はメコン5カ国
ダルニー奨学金と違う点
・対象は中学生ではなく高校生
・年間36,000円の支援で、生徒1名が1年間高校に通うことができる
・年1回の奨学金証書は、データでマイ・ページから参照
HOPE奨学金は、ダルニー奨学金支援者様から、奨学生が高校生に進学しても支援したいとの要望が多くあったこと、そして現地からも高校生の支援を強く望む声があったことにより始まりました。
【小学生から中学生、そして高校生へ】
ダルニー奨学金制度が始まった当初(1987年頃)は、メコン5カ国での小学校の就学率は低く、特に就学率の低かったカンボジアとラオスにおいてはダルニー奨学金の提供は小学生から始まりました。その後小学校の就学率の上昇に伴い、2016年からは、その2カ国においても中学生への支援へと切り替わっていきました。そして、昨年2022年から、高校生への支援を開始するに至っています。このように、現地の状況の変化を見つつ、現地のニーズに沿って本当に必要な支援をしていきたいと考えて民際センターは活動しております。
【中学生と高校生、どちらの支援が必要か?】
メコン5カ国では、まだまだ中学校に通えない子どもたちがいる状況ですので、引き続きダルニー奨学金の支援が必要とされています。しかし、十分な生計を立てることのできる仕事に就くためには中学校卒業だけでは不十分な時代となってきているため、子どもたちがしっかり学び社会で活躍できるよう、ひいては国の未来を担う人材が各国で育っていくために、HOPE奨学金が必要とされています。
【支援金額について】
HOPE奨学金は年間36,000円と、ダルニー奨学金に比べると高額に感じられるかもしれませんが、高校に通うためには、交通費や寮費がかさむことが多いためです。貧しい農村地域では、高校は小学校・中学校に比べて数が少なく、より遠くまで通学する必要があり、その距離は時には10kmを超えます。そのため、制服や靴、カバン、学用品の購入費に加えて、寮費や交通費の出費を伴います。実際、制服や学用品が買えないから学校に行けないという生徒たちがまだまだいるのが現状です。また、学校に通い始めても遠距離のため通い続けることができず、中途退学してしまう生徒も多くいます。そのような高校生たちに奨学金を提供し、学校に通い学ぶことを応援するのがHOPE奨学金制度です。
「HOPE奨学金」は、顔が見える、成長が見守れる高校生の奨学金制度です。
質の高い教育を、国の未来を担う高校生たちに提供したいという想いからスタートしました。
1日当たり100円、月々3,000円、年間36,000円の支援で、生徒が1年間高校に通うことができます。
皆様からのご支援、お待ちしております。