大同生命国際文化基金様から広岡浅子の伝記を献本いただきました
公益財団法人 大同生命国際文化基金様から、創業者の一人である女性実業家 広岡浅子 の生涯を描いた書籍(ベトナム語訳)を献本いただきました!
大同生命国際文化基金様は、日本と海外の相互理解を促すためにこれまでも様々な日本の人物伝などの書籍を現地語へ翻訳し出版されています。それらの書籍は、現地の学校や図書館へ配布され子どもたちの大切な読み物となっています。
日本とアジア諸国の言語 相互への翻訳出版
大同生命国際文化基金様が手掛ける翻訳出版事業の歴史は長く、これまで48冊の翻訳本を出版されてきました。翻訳本は二つのシリーズに分かれており、一つは「アジアの現代文芸」シリーズで、アジアの国々の文芸作品の中で、特に日本に紹介されることが望まれるものを選んで翻訳・出版されています。この「アジアの現代文芸」シリーズは神戸松蔭女子学院大学図書館、清泉女子大学 附属図書館といった国内の大学のほか、国立国会図書館などの公共図書館に寄贈されています。二つ目のシリーズである「ジャパニーズ・ミラーズ」は、逆に日本の書籍をアジア諸国の言語へ翻訳し、アジア諸国の人々へ日本をより一層理解してもらうことを狙いとしています。本来日本で限定的に読まれていたコンテンツが訳され海外に流通し、読者が日本により親しみをもつというのは素晴らしいことです。翻訳本が広まることで読者に異文化理解のきっかけを与え、日本と海外との交流がさらに深められていくことを願っています。
今回お贈りいただいた献本(2冊)とエコバッグ
「アジアの現代文芸」シリーズは電子書籍として無料で公開されており、紀伊國屋書店様が提供する無料電子書籍アプリKinoppyを通じてPC・スマートフォン端末で読むことが可能です。
書籍は東南アジア、南アジア、西アジアなど14の原作国から選べます。例えばベトナムだとグエン・ニャット・アイン著の「幼い頃に戻る切符をください」はベトナムの若者に人気の小説です。成人男性が自分の子ども時代を振り返ってノスタルジー調に語るという物語で、本作品は30回以上も重版され、現地で文学賞を受賞しました。5月末から各地で梅雨入りが始まりますが、インドアのお供に読まれてみてはいかがでしょうか?
民際センターの図書支援プロジェクト
大同生命国際文化基金様は民際センターの図書支援プロジェクトを通じて、本を読む機会がないカンボジアとラオスの子どもたちに書籍を届ける支援を継続されており、2012年以降、カンボジアへは18セット、ラオスへは30セットの図書セットを寄贈されています。寄贈後いつも、子どもたちが図書の入った木箱を囲む微笑ましい写真が現地から送られてきます。一度に多くの本を贈るためすぐ図書が充実しそうに思えますが、たくさんの子どもたちが回し読みをするため、すぐにボロボロになってしまうので、それでも足りないそうです。
民際センターが子どもたちに贈る本は様々なジャンルのものがあります。歴史、文化、伝統、道徳等に関連する小説、哲学書、辞書、教科書など、現地の職員が寄贈先の子どもたちのニーズを踏まえて選んだ本が贈られています。子どもたちが少しでも多く本と触れ合い、物語から想像したり学ぶことを応援するこの図書支援プロジェクト。読書を通じた教育の向上を目指すところに、大同生命国際文化基金様と民際センターの共通理念があります。
民際センターの図書支援プロジェクトは、通年お申込みを受け付けております。支援者の方には書籍を受け取った子どもたちや先生の写真が入った報告書をお送りしております。
2022年に大同生命国際文化基金様からご寄贈いただいた本を読む子どもたち(ウドーミアンチェイ州 トラペアンプラサート郡 THNAL BAMBEK小学校)
民際センターではこの図書支援プロジェクトをさらに推進するために2023年4月に丸善書店様にてオリジナルブックカバーを配布する企画を行っておりました。書店での配布は、おかげ様で好評を受け配布は終了しております。現在、HPではお手持ちのプリンターで印刷していただけるダウンロードデータを配布しております。
大同生命保険株式会社様にて読書感想文コンクール開催中!
広岡浅子とは、明治時代を生きた女性実業家で、17歳で嫁いだ豪商・加島屋を切り盛りし、一時傾いた加島屋の立て直しに貢献した人物です。幼いころ読書や勉強を禁じられた経験から女子教育に深く共感し、女子高等教育機関設立に尽力しました。結婚してから独学で簿記や算術、商業を勉強しその力を発揮したと言われており、教育が人やその国の将来にもたらす影響力を改めて感じさせられます。広岡浅子は加島屋を立て直すためまず石炭を購入し海外へ輸出する事業を手掛けたのですが、当時炭鉱業は新しいビジネスで最初はうまくいきませんでした。それでもめげずに、今まで勉強した努力をばねに問題に取り組み事業を成功に導いたのでした。
翻訳出版事業を行う大同生命国際文化基金様には、今回の貴重な書籍の献本を頂戴し大変お世話になりました。母体である大同生命保険株式会社様では、2023年6月30日㈮まで、【学習まんがの読書感想文コンクール】を開催しています。ベトナム語を母国語としている方、在日ベトナム人の方、ベトナム在住の方を対象に、WEBサイトから応募を受け付けております。創業120周年記念でもあるこのコンクールは、外務省が今年開催する日越外交関係樹立50周年認定事業を兼ねており、日本とベトナムの交流を図るものとなっています。詳しい案内はコンクール主催サイトにてご確認ください。
作品名 左:「HIROOKA ASAKO」 右:「空が再び明るくなった」(訳題)