1987年の創設から「教育支援を通し、貧困削減と平和構築に貢献する」という理念のもとにダルニー奨学金を継続して提供してきました。
その背景として、私たち人間は生を受けた時、国や親を選ぶことができません。
たとえ最貧国に生まれても、経済的に貧困の家庭に生まれ育っても、人間として等しく教育を受ける権利があると信じているからです。
私たちの法人名、「民際」には、特別な思いが込められています。
国が国を支援する「国際」支援ではなく、民と民との親交こそが平和の基礎であり、平和構築に貢献すると確信しているためです。
「民の力により、教育支援を通じて、世界の貧困削減と平和構築を目指し、民と民の結びつきによる支援を広く普及したい」そのような思いから「民際センター」と名付けました。
人類史上最高といえるほど、国を超えて旅や仕事での移動や、インターネットによるコミュニケーションも容易になり、まさに国境を越えたかのような世の中ですが、まだ貧困削減、平和構築の課題は依然として存在している現実があります。
経済的に恵まれない家庭で生まれ育った開発途上国の若者が何故貧困なのか? 何故、武器を持って戦争するのか?
これからの未来は、私たちが教育支援をしていく生徒の中から、地球益を考える人材が生まれることを期待しています。
個人の自立、促進のために奨学金があります。
多くの方がこの活動に参加することで、教育を受けた人材が創出され、新たな産業が起こり、雇用が生みだされ、やがて社会の貧困削減が実現します。それが社会全体の自立への道であり、最終的には支援を必要としなくてもよい社会の形成、平和構築につながります。教育を支援することこそが、自立した精神の形成に欠かせない有効な手段であると信じています。
支援先諸国の政府は、良いものであれば条例等を考えて制度として確立しようとします。
まず、「変化」を起こす必要があります。はじめに、私たちは日本のNGOとして「変化」の先進事例を行います。数年かけてその事業が特殊なものでなくなれば、それは「変革」であり、当該国の政府自身が法律や規則を制度化し、予算が確立されることになって行きます。
私たちの使命は「変化を起こし、加速させ、当該国自身がその制度を確立すること」にあるのです。
先ず組織として、何のためにその事業を行うのか? 理念を持つことが重要です。
その理念に照らした事業の目的を多くの人に理解してもらい、その事業目的を達成するためには普及戦略が必要になります。
その戦略を推進するためには、持続可能な体制が必要であり、事業家としての要素も求められています。
「顔が見える、成長が見守れる、1対1の教育支援」を実行するためには、法人として信頼を得られることが最も重要であると捉え、正確な情報を速やかに公開し、正直に報告することに最善を尽くしています。
その結果、多くの方々の心温まるご支援によって、今日まで組織が存続することができました。
日本で生まれた日本の国際協力団体が、世界の市民にこの活動への参加を促し、国や文化や宗教を乗り越え、これからも皆様のお力をいただきながら、地球上の貧困削減と平和構築に貢献できることを夢見ています。
公益財団法人 民際センター
創設者 秋尾晃正