アーティストの日比野克彦氏(東京藝術大学教授)の協力を得て、ラオスの子どもたちにアートを経験する機会をつくろうというプロジェクトです。
2014年度は独立行政法人国際交流基金より助成を受けて実施します。
【協力】ぺんてる株式会社、株式会社アートヴィレッジ出版、月刊ソトコト、NPOこどもお絵かきギャラリー
【旅行企画・実施】株式会社エイチ・アイ・エス
【ポントゥン村美術部プロジェクトとは】
ラオス・ポントゥン村小学校では、美術の授業がなく、絵も画材もないために、子どもたちは水彩画の絵を描いたことがありません。
そんな子どもたちにワークショップを開くことでアートに触れる機会を作ります。
アーティストの日比野克彦氏(東京藝術大学教授)に協力を依頼し、2012年11月26、27日の2日間、ラオス・サワンナケート県にあるポントゥン村を訪問し、子どもたちに絵を教えるというワークショップを開催しました。今回は2010年に続き、二回目です。
今後、日比野氏のご協力により、毎年、ポントゥン村を訪問し、このプロジェクトを実施していく予定です。
【プロジェクトの特徴】
①幼児期に絵を描くという行為は、子どもの成長にとってとても大切な役割を持ちます。
子どもが図画工作を経験することは、子どもの情緒面での成長を促し、想像力や創造力、洞察力を養うとても大切な教育です。
創作活動を通して、情緒面での成長を促し、見る力を養い自分と他者の違いを認識し新しい世界を知る大切な機会となります。
②単に絵を描く技術を身につけるのではありません。
自分の生活する地域や身の回りの素敵なものを見つけて創作活動を行います。また、途中で投げ出すことはせず、最後まで描き切ることを教えます。
これにより、絵に対する愛着や達成感が生まれ、大人になってからも貴重な思い出となります。
自由にのびのびと感性で描くことを教えます。
2012年のワークショップでは、初めて絵を描いたとは思えないほどすばらしい絵がたくさんみられる中、個性的で大胆なタッチの絵も多くその感性は見事です。
③村人たちの持っている無垢な感性をアートで表現します。
ポントゥン村の人々は、老若男女、みな穏やかで親切な人ばかりで、物乞いなどは存在しません。
経済的に厳しいのに、みんな笑顔で接してくれます。水牛、豚、鶏、犬、猫、カモが人間と一緒に暮らしています。
電気が不十分なので、日が暮れると小さな灯りで過ごし、太陽が昇ると眼を覚まします。
このように、純粋に自然と共に生きているこの村人たちの持っている無垢な感性をアートで表現します。
これが「ポントゥン村美術部」ワークショップの醍醐味です。
④アートの普及により、村の発展を目指します。
これからのアートには、一部の狭いアートマーケットの中だけではなく、その土地や、そこで暮らす人々の持っている良さをアートが引き出し、再発見していく「社会のためのアート」が求められています。
と同時に、アートの普及により、子どもたちの認知的能力の発達を促し、学ぶことの楽しさを教えます。
授業の活性化をはかり、成績や就学率向上、また村の発展につなげます。
この活動を、ラオスのポントゥン村の子どもたちからアジアの他の地域へ、さらにアジア全域へ広げることを目指します。
【子どもたちの描いた絵】
【日比野克彦氏プロフィール】
日比野克彦(ひびの かつひこ、1958年8月31日)アーティスト、東京芸術大学教授)
岐阜県岐阜市出身。1982年東京芸術大学美術学部デザイン科卒業。1984年東京芸術大学大学院終了。
在学中にダンボールや、わら半紙を利用した芸術作品を制作し脚光を浴びる。
その後、舞台美術やパブリックアートなど、活動範囲を広げる。近年は、各地で一般参加者とその地域の特性を活かしたワークショップを多数行っている。
国内外で個展・グループ展を多数開催する。自らの作家活動の他、各種メディアに頻繁に登場している。
特にサッカーファンとして知られ、サッカー関連のテレビ番組に多数出演している。2010年日本サッカー協会理事に就任。