民際活動の原点
1987年の設立からメコン5カ国にて、国際教育里親制度「ダルニー奨学金」をはじめとした教育支援活動を行ってきた民際センター。その活動の原点とは? 理事長の秋尾よりメッセージをお届けいたします。 *写真は「ダルニー奨学⾦」の名前の由来となったタイの少⼥、ダルニーちゃん
壁にぶつかった時には、活動を開始した原点に立ち戻ることにしています。
民際センターの原点の一つは、民と民の間の支援であり、国際、つまり国家間の支援でないことです。一人の奨学金提供者が一人の生徒を支援する教育里親制度であること。税金による国家の財でなく、個人の寄付の財で行うこと。そして税金とは違った、寄付した財がどのように使われたかの「見える化」が原点になります。
第二の原点は、平和構築。経済的に恵まれない一人の生徒の心の中に日本人の教育里親の名前が刻み込まれ、貧困に負けず退学せず、勉強する。また、教育里親側も支援する生徒が暮らす国や社会のことを気にかけることとなる。この関係こそ、目には見えませんが、平和構築の礎かと思います。
第三の原点は、メコン5カ国への支援。1987年当時の国際的なNGOの世界で、欧州はアフリカ、米国は南米・中南米の支援、日本は東南アジアの支援という枠組みがありました。ネット社会、そして世界が大きく変革している今日、この枠組みはなくなりました。しかし、未だ、民際センターの支援対象国であるタイ・ラオス・カンボジア・ベトナム・ミャンマーでは、教育費のねん出ができずに、学校を退学する生徒が絶えません。
残念ながら、いずれも未だ色が褪せない原点です。
何の変哲もない日常の行為の如く、世界の市民が手を携えて教育里親になり、自分たちの財を提供し、一人の生徒を支援するような地球市民社会を、今後も訴求してまいります。