カンボジアの高校進学の状況　ソムさんの場合

近年カンボジアの経済成長は著しいですが、非就学児童の割合は、東アジアの平均より低いままです。教育青少年スポーツ省は、貧困層の生徒や社会的弱者など不利な立場にある生徒の学校への出席率の向上と退学率の低下を目的として、2003年に奨学金プログラムを開始し、2020-2021年には、カンボジア全土の貧困層や恵まれない家庭の高等学校生に12,686人に奨学金を提供しましたが、依然として進学率は低く、退学率も高いままです。2020-2021年の教育統計では、高等学校の純就学率は22.0%、退学率は8.4%と報告されています。

今回は、高校へ進学予定のソムさんの状況をお伝えします。

ソムさんは15歳で、コンポンチュナン州に住む中学3年生です。
数学の勉強が好きで、将来は看護師になりたいと願っています。

ソムさんは5人きょうだいの4番目です。父親は亡くなり、母親が一家の大黒柱として子どもたちを養育しており、貧しい暮らしを余儀なくされています。ソムさんの3人の兄は皆、家計が苦しいため、高校に通い始めても1年で中途退学してしまいました。

カンボジアでは学費は基本的に無料で高校へ進学することはできます。しかし、通い続けるためには親が学用品や交通費など、ある程度の費用を負担しなければなりません。ソムさんはもうすぐ高校に進学しますが、彼女の母親は家庭の事情で彼女も中途退学させてしまうのではないかと不安を抱えています。
「娘には高校に3年間通ってほしいですし、彼女が願っているように卒業して看護師になってほしいと思っています。しかし、我が家の家計は不安定で明日どうなるかさえ私たちには分かりません。小さな畑を耕すことしかできず、定職も収入もないからです。」

ぜひ、ソムさんが高校に通い続けることができるように、HOPE奨学金のご支援をいただければ幸いです。今後も彼のように奨学金を必要としている生徒の情報をお伝えしていきます。

カンボジアについて

「HOPE奨学金」は、顔が見える、成長が見守れる高校生の奨学金制度です。
質の高い教育を、国の未来を担う高校生たちに提供したいという想いから2022年4月末からスタートしました。
1日当たり100円、月々3,000円、年間36,000円の支援で、生徒が1年間高校に通うことができます。
皆様からのご支援、お待ちしております。