断ち切れぬ貧困の連鎖 ~奨学金が今必要です~
断ち切れぬ貧困の連鎖、子どもたちの未来のために
~新規支援がカンボジア・ラオスの子どもたちへ今必要です~
民際センターの支援対象国であるカンボジアとラオスでは、新型コロナウイルス感染拡大による経済への影響が回復せず、GDPが軒並みマイナス成長となっています。
各国政府とも早期にコロナ禍から抜け出し〝ビフォーコロナ〟の時代に回帰して経済再生に尽力したいと思っている中、ロシアによるウクライナへの侵攻という重大事が発生したことで、経済への影響ははかりしれないものになっています。特に燃料の高騰によるエネルギー不足は深刻で、カンボジアでは、1リットルあたり1.5ドル(約190円)まで高騰、ラオスでは、5月8日頃から首都圏でガソリンの供給が困難になっており、多くのガソリンスタンドが閉鎖している状況です。
このような急激なインフレーションにより、支援地域である郊外や農村部への影響は大きく、貧しい人はより貧しくなるという格差社会に一層の拍車がかかっているのが現実です。
カンボジアの支援地区である、コンポンチュナン州トァクポス郡のロン・ポポーク中学校のオー・サピン校長先生によると、この地域の人口は5,507人で1,522世帯ありますが、その80%は小さな農地で農業に従事しており、残りは家畜の世話など、その生活は自然条件に左右されます。都心での経済の停滞は農村部に直撃し、平均収入おおよそ月250ドル程度(約30、000円前後)の所得では、家族全員の生活で手一杯で、子どもたちの教育にかかる費用を捻出する余裕はありません。「貧しい家庭や恵まれない家庭の生徒は、学校をやめて働かなければならないのです。EDFグループ(民際センターやカンボジア事業所)からの奨学金はドロップアウトを減らし、就学率を改善するためになくてはならないものであり、支援がなければ、子どもたちは教育を受ける機会がないかもしれません。貧しい家庭のカンボジアの子どもたちのことを想い、支援してくださった日本の支援者の方々に心からの感謝の意を表します。」と話します。
ロン・ポポーク中学校のオー・サピン校長先生
民際センターでは、この秋の新学期(ラオスは9月、カンボジアは11月)のためのダルニー奨学金を募集しています。現時点では、経済の停滞の中、奨学金を必要とする生徒数が、奨学金の提供数を大きく上回ることが予想されます。
貧しく教育機会に恵まれない子どもたちが、経済的な事由により、教育よりも生活を優先され本来あるべき教育制度から離脱する恐れがあり、彼らの今後の教育や将来の就職機会に⻑期的で重⼤な影響を及ぼします。最終的には⽣活の質の低下の原因となる「貧困の連鎖」を断ち切る事ができず、彼らや家族が望む明るい将来は叶えることのできない夢となってしまいます。
この様な状況から、皆様⽅ご⾃⾝も直⾯されているご苦労を拝察いたしながらも、子どもたちがこの危機を乗り越えるため、「ダルニー奨学金」新規ご支援のご検討を⼼よりお願い申し上げる次第です。かつてご支援いただいた方々にも、支援の再開をご検討いただければ幸いです。
民際センターの民際とは、民と民とを結ぶ1対1の国際協力を意味します。あなたと子どもが奨学金支援を通してつながり、お互いを知り、国を越えて心がつながる支援となり、子どもたちの明るい未来を創ります。是⾮とも皆様⽅から温かい⼿を差し伸べていただきたく、何卒よろしくご⽀援ご検討の程お願い申し上げます。
「ダルニー奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際里親制度の教育支援システムです。1日当たり40円、月々1,200円、年間14,400円の支援で、子どもが1年間学校に通うことができます。
カンボジア・ラオスの奨学金の締切は7月20日です。