プリーヤポンの将来の夢(タイの奨学生)
プリーヤポン
プリーヤポンは2019年度ダルニー奨学生で、ナコンラチャシマ県のワンナムキアオ郡のバーンバヤイ中学校に通う一年生です。
彼女の両親は幼いころに離婚しました。離婚したばかりのころは父親も時々会いに来ていましたが、父親が再婚し、子どもができると全く会えなくなり、教育費の仕送りもなくなりました。そのため母親は、貧しい家族を支えるためにほかの県まで仕事を探しに行きました。プリーヤポンと6歳下の妹は祖母と78歳の曾祖母と一緒に暮らしていました。母親はガラス瓶を洗う工場で働いており、収入は一か月に約2,000バーツから3,000バーツ(日本円で7,000円から10,000円)でしたが、持病を抱えていたので収入は安定していませんでした。
二年前、祖母が亡くなると、母親はプリーヤポンと彼女の妹と曾祖母の世話をするために家に戻らなければならなくなりました。さらに、村で労働者として、生活のために働かねばなりませんでした。しかし、彼女の母親は2019年の初めに持病によって亡くなりました。
妹6歳(左)、曾祖母78歳、プリーヤポン12歳(右)
彼女の母親の死後、プリーヤポンと妹と曾祖母は伯父と伯母と一緒に住むことになりました。毎日、学校に行く前と放課後にプリーヤポンは伯母の家事を手伝っています。週末には、鶏の手羽や内臓をもらってきて、それをきれいに洗ってから村や市場へ売りに行く仕事の手伝いもしています。彼女が働いた分は、彼女と妹の教育費に回っています。
食肉処理後の鶏を販売するために準備しているプリーヤポン
バーンバヤイ中学校のダルニー奨学金窓口を担当しているニットマー先生はプリーヤポンについて次のように述べています。
「プリーヤポンは優秀で、毎期のG.P.A(成績)は平均して4.0でクラスで一番の成績です。リーダーシップがあり友達みんなから好かれている存在です。クラス委員にも選ばれました。さらに、県の数学コンテストに学校の代表として出場し、銅メダルを獲得しています。また、スクールバンドのメンバーでもあります。」
ニッサマー先生はさらに付け加えて、
「私は彼女の家を訪ねた時に彼女の生活状況を知りました。貧しい家庭に生まれて孤児になったにも関わらず、それを理由に将来を諦めたりしていません。いつも勉強に前向きですべてのことに対して強い責任感を持っています。奨学金をもらうのにふさわしい生徒だと思います。」
と語っています。
プリーヤポンは私たちにこう言いました。「私の母が亡くなった後、私と曾祖母と妹は伯父と伯母の暮らす場所へ引っ越さなければならなくなりました。その時はこのまま教育費を賄えるのか不安でした。しかし、十分なお金を稼ぐことができる仕事に就けるよう、妹と曾祖母を支えられるようにたくさん勉強をしています。もし、機会が与えられるなら、数学の先生になって、豊富な知識をもった生徒が育つように教えたいです。私に奨学金を寄付してくださった支援者の方に心から感謝しています。」
スクールバンドに所属するプリーヤポン
タイの締切は3月20日です。