【支援者のご紹介】ラオスの人たちは忘れない ~校舎を寄贈した故古屋よ志子様のご遺志~
古屋よ志子様が、民際センターを通じてラオスに小学校の校舎を寄付されたのは2002年のことでした。
お嬢様の大学進学のために用意されていた資金がご不要になったため、他に有効な使い道はないものかと、ご相談いただいた記憶があります。
古屋さんにとっては、小学校の竣工式のためにラオスを訪問して現地の贈呈式の式典に参列したのが初めての海外経験だったそうです。
それから13年、突然、ご紹介者の方から古屋さんの訃報を受けました。ラオス事務局に連絡をしたところ、その訃報は更に現地の学校にも伝わりました。
しばらくして、ラオス事務所から一通のメールが入りました。それに添付されていたのが、ここにご紹介する写真です。
私は古屋さんの肖像画を見て驚きました。
古屋さんが訪問された当時は、まだ先生も村人もデジタルカメラを持っていませんでした。当時を知っている方々が記憶を頼りに肖像画を描いたのかもしれません。
メールには古屋さんのご冥福をお祈りするため、お寺で供養が催されている写真も含まれていました。
13年の時を経ても、いつまでも古屋さんのことを想ってくれている人たちがいることは私にとって感慨無量でした。
ラオス事務局からの伝言ですが、「教育支援をして下さったこんなに素晴らし日本人のことを、ただ自分たちの心や村だけにとどめるだけでなく、多くのラオス人にも知ってもらいたい」という子どもたちの声や、ある先生からは、「もし、ご家族の同意が得られるのなら、私たちラオス人はいつまでも御恩は忘れません、という気持ちを民際のホームページに載せて世間の方々に知らせてください」との提案があったそうです。
13年前、小柄な古屋夫人を村人全員が出迎えました。
当時5年生の児童だったら今、既に24歳となり、そろそろ、その子どもが小学校に入学する頃でしょうか。
親子が古屋さんが寄贈した同じ学校に通う時代の到来です。村人たちはきっと古屋さんのことを語り継いでいくことでしょう。
ご遺族の同意をいただいて、ここにご紹介いたしました。
公益財団法人 民際センター
理事長 秋尾晃正