長年の奨学金支援団体、京都合気会さんを紹介します
2000年から奨学金支援を続けてくださっている「京都合気会」創設者の小山照雄師範(合気会7段)をお訪ねして、支援のきっかけや思い、そして、同会の活動についてお聞きしてきました。
同会は2000年からタイ奨学生14人の支援(中学校3年間卒業までの42口分)、そして、2014年からは新たにカンボジア奨学金支援も追加してくださっています。
京都合気会は1985年に京都市左京区で小山師範により創設された非営利の団体です。
その活動は青少年の健全育成、海外の道場からの受け入れ、講習会の開催、東南アジアの貧しい国の子どもたちへの教育支援(ダルニー奨学金)、災害救助犬の育成支援など多岐に渡っています。
同会は身体しょうがい者の機能回復を目的とした「リハビリ合気道」の指導も行っています。
小山師範は「視覚しょうがい者の合気道」や「下肢しょうがい者の合気道」の指導法を確立し、2008年には日本初のオリジナル・スポーツ教育プログラム=「対話型スポーツ鑑賞講座」を導入しました。
「リハビリ合気道」クラスの生徒数は、現在16名(男性13名、女性3名)で、身体、視覚、療育しょうがいの方や車いすの方なども参加しています。
ただ、健康や体調の問題もあり、毎回全員が参加できるわけではありません。民際センタースタッフが訪問した日は、3名の生徒さんが参加していました。
<小山師範と「リハビリ合気道」クラスの生徒さんたち>
「リハビリ合気道」は、「京都市障害者スポーツセンター」で、毎月2回実施され(1回3時間)、生徒さんの参加費は通信費のみの1ヶ月500円だそうです。
<生徒さん2名を、優しい眼差しで指導する小山師範>
ちなみに、ダルニー奨学金の寄付金は健常者クラスの生徒さんによる善意の活動費から捻出されているそうです。
東南アジアで経済的に恵まれない子どもたちの教育支援先をインターネットで探している際、ダルニー奨学金を知り、民際センターを選んでくださいました。
毎年、ダルニー奨学生の写真が届くのを楽しみにしていて、小山師範はいつか支援奨学生の住むタイやカンボジアを訪問したいそうです。
京都合気会は、文化ボランティア活動として、京都市内の小学校で護身合気道教室を指導しています。
これら「京都合気会の子どもたち」は年に一度、しょうがい者と交流し、車いすの介助法、視覚しょうがい者の誘導法などを学びます。
しょうがい者と交流しながら、他人への思いやり、優しさ、感謝の気持を身につけていきます。
子どもの頃にしょうがい者とふれあったことにより、職業として理学療法士、作業療法士、社会福祉士などの資格を大学で取得して、「福祉の道」へ進む子どもたちもいます。