中学校を卒業したベトナムの生徒から感謝のお手紙

ベトナムで中学校1年生から4年間ダルニー奨学金の奨学生として支援を受けていたグエン・ティ・ゴク・マイさん。今年の5月に中学校の卒業試験を受け、無事に卒業することができました。卒業を機に、4年間支援していただいたご支援者様へ向けてのお手紙が届きましたのでご紹介します。

中学校1年生の時のグエンさん

親愛なる北上 裕史様

私はグエン・ティ・ゴク・マイといいます。北上様からのご支援で2018年から奨学金を受け取り、4年間グエン・ティ・ミン・カイ中学校に通っていました。はじめに、この4年間のご支援に心から感謝申し上げます。
私の家庭環境をお伝えすると、我が家はとても貧しい家庭です。母は私が小学校5年生の時に家族を置いて出て行ってしまい、今も連絡が取れません。父が男手一つで私ときょうだい（グエンさんは4人きょうだいの3番目）を育て、さらに70歳を超えた祖父母の面倒も見ています。私たちきょうだいは祖父母と一緒に暮らしていて、父は出稼ぎで遠く離れた場所で働いているため、月に一度しか会うことはできません。

経済状況はとても厳しく、父は支出を抑えるために私を退学させようかと考えていました。しかし幸運なことに、中学生になるときこうしてダルニー奨学金の奨学生に選ばれることができたのです。4年間、奨学金を受け取ったらすぐに祖父母へ預け、ノートなど勉強に必要なものを買うために使ってきました。改めて、この4年間のご支援本当にありがとうございました。そのおかげで私は今年5月に受けた卒業試験に合格することができました。
卒業式で証書を受け取り、喜びにあふれる父の顔を見た時、北上様とEDFへの感謝で胸がいっぱいになりました。

北上様をはじめ、私に奨学金を届けるために関わってくれた全ての人に感謝しています。このご支援は単に私の中途退学を阻止しただけでなく、未来をより良いものにするためのチャンスを与えてくれました。さらには父への負担を減らし、祖父母も安心して暮らすことができました。今の私がいるのは、この4年間のご支援のおかげです。これからも夢を叶えるために勉強を続け、家族やご支援者様が誇りに思ってくださるよう努力します。

感謝を込めて
2022年7月6日　ドムナイ省ディークアン地区
グエン・ティ・ゴク・マイ

卒業時のグエンさん

このお手紙を受け、グエンさんを4年間ご支援いただいた北上 裕史様よりコメントをいただくことができました。

北上様より
思いがけない連絡をいただきましてありがとうございます。その内容に驚くとともにとても喜んでおります。

私が「ダルニー奨学金」での支援を始めたのは、長男が中学校に入学する頃に朝日新聞で読んだ記事がきっかけでした。この世界には中学校に行けない子どもたちがいる。そんな子どもたちにわずかでも支援できたらという気持ちが半分、自己満足気味の気持ちが半分で始めました。
その後、何度かの中断があったかと思いますが、今も自分なりに、この奨学金による支援を続けています。

今回の手紙を読んで、私の支援が役に立ってくれて良かったと感じるとともに、この国々に住んでいる子どもたちにとって、中学生として勉強することが本当に大変なことを教わりました。今後も、夢を叶えるために勉強を続ける子どもの一助となるよう支援したいと思います。

グエンさんへ
卒業おめでとうございます。
4年間グエン・ティ・ミー・カイ中学校での勉強は大変ご苦労されたことと思います。日本に住んでいる私には想像もできないような苦難に満ちた時間を過ごしたと思います。

その中にあって、私からの支援が、あなたの学業にとって役に立てたとのこと、とても嬉しく思います。
また、これからも勉強を続けるとのこと、より良い未来のために努力されることをお祈りいたします。

本当に卒業おめでとうございます。
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グエンさんのように、奨学金は生徒だけでなく彼らを支える保護者にも安心と喜びを渡すことができます。1人でも多くの子どもが奨学金を受け取り勉強を続けられるように、皆様からのご支援よろしくお願いします。

ベトナムの奨学金の締切は7月31日です。