【子どもたちに本を贈ろうキャンペーン2024】ラオスの図書セットから1冊
今日、11月1日は≪本の日≫です。本の日は、日付の「111」が本棚に並ぶ本の姿に見えることから、想像・創造の力は1冊の本から始まるというメッセージを込めて定められた記念日です。読書好きの方も、忙しくて本から遠ざかっている皆さんも、「子どもの頃に読んだ思い出の1冊は」と聞かれたらどんな本を思い浮かべますか? 民際センターでは本の日にあわせて、今年もラオスとカンボジアに図書セットを届ける「子どもたちに本を贈ろうキャンペーン」を実施中です。
ラオス農村部の図書事情
図書支援プロジェクトの支援国のひとつであるラオスの支援地域は、南部4県の農村部です。農村部の村々には本屋さんがなく、また子ども向けの本も日本に比べて極端に少ないため、ラオスの子どもたちが日常的に本に触れる機会は多くありません。
そのような環境で育った子どもたちの学校へ民際センターの図書セットが届くと、子どもたちは皆目を輝かせ、時間を忘れて読書に夢中になるそうです。
図書セットの本は、現地職員が選定
民際センターの「図書支援プロジェクト」で寄贈される図書セットは、日本製の本ではありません。現地職員(ラオス人・カンボジア人)が、それぞれの国に昔から伝わる物語や、教育に必要な知識を育むような本を現地で調達し、セットにして子どもたちに提供しています。今日は、そんなラオスの図書セットの中から1冊をご紹介します(※ラオ語と英語で書かれています)。
【The Clever Boy(賢い少年)】
常に新しいことを学ぼうとする少年プンヤと、ある裕福な家の少年が同じ学校で学んでいました。裕福な少年は家がお金持ちであることをいつも周囲に見せつけ、勉強する気はありませんでした。ある日、先生がプンヤを気に入っていることに気づき、不平等だと訴えます。
そこで先生はプンヤと裕福な少年に同じ問題を出します。生まれたばかりの子犬がいるので本当かどうか確かめてきてほしいと。二人は子犬を見に行き、戻ってきます。
裕福な家の少年の報告は、「子犬は3匹いた」ことだけでした。一方、プンヤの報告は、3匹生まれた子犬の性別、それぞれの色柄、生まれた時間など、事細かなものでした。裕福な少年はプンヤのすばらしい観察力に驚き、「先生がなぜプンヤを信頼し、愛しているかわかりました」と納得します。
先生は、知識は私たちの身近にあること、周囲に目を向ければ勉強の方法を見つけられること、学校ではみんなが平等であることを説きます。裕福な少年をはじめ、他の生徒たちもプンヤを見習い、よく聞き、よく考えるよう取り組んだ結果、クラス全員がプンヤのような観察力や注意力を身につけ、先生の最愛の生徒たちになったというお話です。
(The clever boy, Sengsouvanh Publishing Co., LTD)
「生きる力」も育む読書
今回紹介した本のように、読書はより良い学び方、生き方への気づきを与えてくれるものです。
また、読書は子どもたちの読み書きの習得を助けるものでもあります。ラオスやカンボジアでは、人々が地雷原の看板が読めずに地雷を踏んでしまう事故、薬の処方箋を読めずに間違った薬を飲んでしまうなど、読み書きができないことにより、命の危険にさらされることもあるといいます。
「生きる力」も育む読書。この機会に、ラオスとカンボジアの子どもたちへの図書支援をぜひご検討ください。
「子どもたちに本を贈ろうキャンペーン」は、11月18日(月)まで実施中です!