ラオス図書館活用事例：ヤンカム小中学校②

民際センターの図書館建設プロジェクト（※）で建てられたラオスの図書館の事例をご紹介します。※現在このプロジェクトは新規では取り扱っておりません。

ラオス南部、サワンナケート県にあるサイブーリー郡・ヤンカム村の小中学校には、2014年に渡辺様という女性から寄贈された1棟の図書館があります。昨年、渡辺様の継続的なご支援による図書館活用事例として行った「読み聞かせトレーニング」に続き、今年3月にフォローアップを実施しました。国立図書館への勤務経験のあるラオス事業所職員が講師役を務め、教師たちと、リーダーとなる生徒たちと活動した様子をご紹介します。

ヤンカム小中学校の図書館

スケジュール
１）読み聞かせトレーニング（2023年3月実施）　詳しくはこちら
２）トレーニングに参加した教師・生徒主導による学内練習（1年間）
３）トレーニング フォローアップ（2024年3月実施）
※今回は「３」のフォローアップについての記事となります。

参加者
小学校教師5名、中学校教師5名、幼稚園教師1名、小学生7名、中学生10名、小・中学校校長2名、郡教育局職員1名（オブザーバー）

トレーニングの復習の様子

フォローアップ概要
・前回トレーニングの復習と解説
・参加教師全員による読み聞かせの実演と改善点の指摘
・校長による講話とアドバイス
・教師から生徒へ推薦図書の紹介
・トレーニングへ参加した生徒による読み聞かせの実演

（左）校長先生からも丁寧なアドバイスをいただきました／（右）参加教師による実演

 

生徒たちへの推薦図書の紹介（図書館にて）

 

トレーニングに参加した生徒による読み聞かせの実演（図書館にて）

トレーニングを終えて

～教師、生徒の感想～

教師はトレーニングを楽しむことができ、今後学校内で図書活動をしていく上で大変参考になったそうです。生徒にとっては本の選定が難しかったという声が聞かれました。子どもたちは図書館にあるすべての本の種類までは把握できておらず、「皆に読んで聞かせたい」と思う本がなかなか決まらなかったということでした。

この学校では読み聞かせのスキルや話法を学ぶ機会はこれまでなかったため、全体としてはとても有意義なトレーニングとなりました。

 

～民際センター ラオス事業所より～

フォローアップは、1回目のトレーニング同様に職員が学校へ赴き、読み聞かせの実演の観察を通じて足りないスキルを補う形で実施しました。前回と比較し細かくアドバイスを行うことで、教師にも生徒にも一定の進歩が見られました。

トレーニングの有効性を確認することができたため、機会があれば今後も継続的に実施・観察を続けていき、教師・生徒たちの読書や図書にまつわる活動を活性化したいと考えています。（ラオス事業所職員：サイサモン、ケオ）

 

 

今回のトレーニングは支援者である渡辺様の呼びかけとラオス事業所の提案により実現したため、残念ながら他の学校では行っていません。渡辺様から毎年新しい本を寄贈いただきながら、定期的な図書館の補修もしているため、他の学校に比べて蔵書が多く、部屋の管理状態の良さも比較にならないほどです。

同校では年2回の読書感想文コンテストも実施しているため、こうした幼いころからの読書経験を通じて、ヤンカム小中学校の子どもたちが豊かな感性や表現力を育んでいってくれること、そして図書館の利用がますます増えることを職員一同願っています。

学校の生徒たちから支援者様への感謝のメッセージ

 

民際センターでは現在、図書館建設プロジェクトは取り扱っておりませんが、ラオスの支援対象４県内の小中学校へ本を届ける「図書支援プロジェクト」を、支援者の皆様と継続して行っています。ヤンカム小中学校のような充実した図書館を持つ学校はまだまだ少数であり、子どもたちの豊かな読書経験を増やしていくために、ぜひご支援のご検討をお願いいたします。