2022年度 ダルニー奨学金を受け取った生徒の話と御礼メッセージ
民際センターおよびEDF-Thai(タイ事業所)では2022年8月に、各対象学校へ2022年度奨学金の振込みを行いました。奨学生たちはその貴重な奨学金を、直接学習にかかる費用と日常の学校生活にかかる費用に使います。下記は、2022年から2024年までの3年分の奨学金を受け取ることになったルンチラポン・チョンサンティア(ニックネーム:マプラン)の話と奨学金支援者様への御礼メッセージです。
マプランは叔父、叔母、そして2人のいとこと生活しています。叔父と叔母は野菜や米を育て、生計を立てています。時々、叔父が草刈りや建設現場で働き、日給200~300バーツ(750円~1,150円ほど)を得ます。叔父と叔母はこの収入で家計を支え、3人の子どもたちを育てていますが、収入が足りない時には、親戚やご近所の方々から借りることもあります。マプランの両親は隣の県に出稼ぎに行き、建設作業や農作業をしています。雇用主によって働く場所が変わるため、マプランを叔父叔母に預けています。時々、マプランの食費と学費用を送ってくれます。仕事がない時、両親は戻ってきて、叔父叔母の農作業を手伝います。
マプランの家は平屋で屋根はトタン板です。そして、その壁は木とトタン板です。電気と水道がなく、隣の家から電気を引かせてもらっています。しかし、消灯の時間があるため、夜は電気が使えません。そのため、夜、マプランはランプの明かりで復習や宿題をしています。水は、近くの井戸水や貯めた雨水を、お風呂や皿洗いに使っています。
左から 台所、寝室、トイレ、外観
家から学校まで3キロメートルほどですが、毎日、マプランは大通りを通るスクールバスを待つために、800メートルほど家から歩きます。家から大通りまでのはは整備されておらず、雨の日は泥水が溜まり、移動が非常に困難になります。
毎日スクールバスを待つために、大通りへ歩いているマプラン
家計が苦しく、制服や勉強道具を買うお金がないため、制服は一着しか持っていません。毎週、制服、体操着、そしてガールスカウトのユニフォームを交代で着ます。学校から帰ってくると、次の日に登校できるように、マプランは急いで制服を洗濯しなければなりません。
マプランは制服を一着しか持っていません
奨学金をもらえることを聞いたマプランは、次のように寄付してくださった方にお礼を言いました。
「奨学金をいただけてとても嬉しいです。寄付してくださった優しい方に心からお礼を申し上げます。このお金は制服とスクールバスの支払いに使わせていただきます。貧しい家の子どものスクールバス代を学校が一部負担してくれますが、残りは自分で払わないといけないからです。私と家族を助けてくださって、本当にありがとうございます。一生懸命勉強して、自分のやるべきことをやります」。
「ダルニー奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際里親制度の教育支援システムです。1日当たり40円、月々1,200円、年間14,400円の支援で、子どもが1年間学校に通うことができます。