熊谷組様と「ダルニー奨学金」授与式を行いました
2020年より、毎年ダルニー奨学金を通じてミャンマーをご支援くださっている株式会社熊谷組様。昨年度に引き続き、今年も11月17日に民際センターと合同で奨学金授与式を行いました。現地から届いた写真とともに、その様子をご紹介します。
社内で集めた書き損じはがきも奨学金の一部に
奨学金の提供先は、熊谷組様がミャンマーで校舎を建設されたうちの1校であるミョーハウンイースト小中学校。最大都市ヤンゴンの南側・タンリン地区にある同校に、本年度は62名のダルニー奨学生がおり、うち13名を熊谷組様にご支援いただいています。
毎年社内で書き損じはがきの収集を呼び掛けてくださっており、集まったはがきが同校のダルニー奨学金支援の一部として充てられています。
熊谷組様(左)、民際センターミャンマー事業所長(右から2人目)と、学校関係者
見守り社員がつなぐ、奨学生との心の交流
ダルニー奨学金のご支援にあたり、熊谷組様独自の取り組みの一つに「見守り社員」制度があります。13名の奨学生に対しそれぞれ「見守り社員」がいらっしゃり、奨学金授与式にあわせて事前に奨学生に宛てた手紙を書き、(社内のミャンマー人職員の方による)ミャンマー語の翻訳も添えてくださるという徹底ぶりです。それぞれ文面に趣向が凝らされ、写真や手描きのイラスト、カラフルに彩色されたものなど非常にオリジナリティに溢れています。中には1つの支社から複数名の方が協力して1名の奨学生に宛てたお手紙もあり、皆様からの「中学校教育を学びぬいてほしい」という強い思いが伝わってきます。
熊谷組様から奨学生へ、奨学金と手紙の受け渡し
手紙と奨学金を手に笑顔
予期せぬ中途退学
いまだに政情不安が続くミャンマーでは、毎年やむを得ない理由で中途退学する生徒たちが少なからずいます。熊谷組様に関しては、お手紙の執筆前に在籍確認をし、中途退学があった場合は必ずお伝えするようにしています。しかし今年度は在籍確認後に突然病気が発覚し、治療のために急遽学校を去った奨学生が1名いました。退学が決定した時にはすでに執筆が完了しており、見守り社員の方が特に多忙を極めていらしたため、執筆締め切りを延長してようやく仕上がったタイミングでの退学判明でした。
現地事業所や現地校にも協力を仰ぎ、どうにか元奨学生へお手紙を届けようと試みましたが、結果的にはそれが叶いませんでした。代わりにご支援いただく新しい生徒が選定され、時間も限られる中、なんとか新しい生徒へ宛てたお手紙もご準備くださった熊谷組様と見守り社員の方へ、感謝申し上げます。
手紙に同封された写真を見つめる奨学生
こうした背景もありながら、多くのご支援者様と関係者の方々のご協力のもと迎えられた合同奨学金授与式でした。13名の奨学生には奨学金とともに、見守り社員の方からのお手紙も手渡されました。ここでご紹介している写真からは、奨学生たちの緊張の面持ちや、にこやかに手紙を見せ合う様子などがうかがえます。
「ダルニー奨学金」を通じて、ミャンマーと日本との交流をこのような形で続けてくださっている熊谷組様に、心より御礼申し上げます。
手紙を見せ合う様子
真剣な面持ちで返事をしたためる奨学生
ミャンマー事業所では、現地の支援対象校での必要性に応じて応じて年々ダルニー奨学金の提供数を増やしていっている状況です。これもひとえに、日頃よりダルニー奨学金をご支援くださる皆様、そして熊谷組様のように書き損じはがき収集を通じてご協力くださっている皆様のおかげです。
経済的に恵まれないミャンマーの子どもたちが一人でも多く教育機会を得て未来を切り開けるよう、民際センターではこれからも、国境を越えて民と民を繋ぐ教育支援活動を続けてまいります。