ミャンマー クーデターから1年
あれから1年が過ぎ
2021年2月1日にミャンマーで軍によるクーデターが起き、国軍がクーデターで全権を掌握した直後から、連日のように反軍政を訴える市民と軍との衝突が激化し、痛ましいニュースを何度も報道で目にしてきました。あれから1年がたちました。その間に国の政情不安に加えて、新型コロナウイルスの感染拡大も重なり、ミャンマーの方々の苦しみは想像しがたいものであったと察します。その後、当初、全土に広がった、公務員や医師、教職員らが職場を放棄する不服従運動(CDM)も、多くの人が食べるために仕事にもどり、EDF-Myanmar(ミャンマー事業所)のあるヤンゴン市内は現在、平静を取り戻したようにみえると聞いています。*ちょうど軍クーデターから1年の2月1日、民主派は出勤せず自宅にとどまる「沈黙のストライキ」をインターネットを通じて呼び掛ける。一方、国軍は声明で、賛同すれば扇動罪などで追訴すると警告しているようです。(*毎日新聞参照)
ヤンゴンを含む各都市での夜間(夜10時から翌朝4時まで)の外出禁止令は依然と続いていて、平静を取り戻したように見えるその裏には、まだまだ、民主化への遠い道のりと強い閉塞感は続いています。
現在の学校の現状
子どもたちへの影響も例外ではなく、教育を受ける機会そのものを奪われる状況が続いています。2021年6月には軍主導による政権下で学校が再開しましたが、新型コロナウイルスの感染爆発により、すぐに閉鎖され、ようやく12月に再開し始めました。
国の政策により、全生徒が実質的に留年し、2021年度に在籍していた生徒は、進級が1度見送られたこと、軍主導による政権下での学校再開への不安や、長期化している混乱による経済の低迷、加えて長引く新型コロナウイルスの影響による経済の疲弊での貧困化が進み、多くの生徒の中途退学(支援地区においては40%程度)が現実化してしまったことなど、多くのご心配をおかけしながらも温かいご理解をいただきましたこと、民際センターを通してミャンマーを支援いただいた皆様には、心より御礼申し上げます。民際センターは、民と民の支援を理念として教育支援を行ってまいりました。たとえその時の政権がどのように変わろうとも、EDF-Myanmar(ミャンマー事業所)が活動の制限を受けない限り、民の力で、引き続き子どもたちの支援を行う所存です。
EDF-Myanmarの職員が、12月から1月にかけて各地の学校を在籍確認や奨学金の提供のため、訪問を続けています。
EDF-Myanmar(ミャンマー事業所)専務理事・マネ-ジンダイレクター ゾーゾーと子どもたちの奨学金授与
子どもたちとの記念写真
笑顔が戻ってきた子どもたち
=子どもたちの今=
EDF-Myanmar(ミャンマー事業所)専務理事・マネ-ジンダイレクター ゾーゾーとそのスタッフは、「厳しい状況におかれながらも、少しずつ子どもたちの笑顔が戻ってきたことが何よりうれしい」と言っています。
奨学金を提供していただいた皆様に、少しでも感謝の気持ちが届けばと、子どもたちからの支援者の皆様に対するお手紙をたくさんもらってきたと報告を受けています。準備が整いしだい、皆様にそのお手紙を公開していければと思っています。また、今回中途退学をした40%の子どもたちも、6月の新学期までにまた戻ってくることを期待していると先生方から聞いており、その際にEDFグループの力を貸して欲しいとのお願いもうかがっているとの事です。
「ダルニー奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際里親制度の教育支援システムです。1日当たり40円、月々1,200円、年間14,400円の支援で、子どもが1年間学校に通うことができます。皆様からのご支援、お待ちしております。
ミャンマー奨学金の締切は3月20日です
ミャンマー関連ニュース Back Number:
2021年12月3日: 学校が再開しました
2021年10月20日: 【Vol.5:ミャンマー】不安定な状況の中で
2021年9月9日: ミャンマーの現状報告とお知らせ
2021年4月20日: ミャンマーの子どもたちの教育支援を続けます
2021年3月16日: 子どもたちが学校に戻るその日まで
2021年2月4日: お知らせ~ミャンマーの支援について~