カンボジア 子どもたちの教育を阻むものとは-1
貧しさの中で取り残される子どもたち
カンボジアの学校は秋入学制で11月に新学期を迎えます。民際センターが支援する地域にも今年小学校を卒業した子どもたちがいます。彼らに話を聞き、それらを二回シリーズでお伝えします。
今年の11月から中学校に行って勉強を続けたいけれど、お父さんお母さんのこと、兄弟姉妹のこと、おじいさんおばあさんのこと、そして何よりも生活のことを考えたときに「この先どうなるかわからない。」と不安そうに言います。彼らには、十分な力も知識もなく自分ではまだ生活を支えることはできません。この機会に彼らの声を聞いてください。
紹介する子どもたちの中には、年齢が中学校に上がるには大きい子どもたちが何人かいます。それは、貧しさで何年間か学校に行けなくて次に行ったときには、普通に学校に行っている子どもたちよりも大きな年齢になっているからなのです。民際センターが支援している地域には、そのような子どもたちが多くいます。
■ イム ファリーさん(14才)
おうちの前で
海藻を編んで家計を助けます
私の家族には土地がなく、牛も飼っていません。祖母は、近所での仕事を探さなければなりません。仕事を見つけられないときは、海藻でマットを編みます。私も学校がない時は、祖母を手伝います。
私の兄と姉は、生活のために働かなければならなかったので学校を辞めざるをえませんでした。私はどうなるのでしょう。私は学校の先生になりたい。ですが、私の家庭は貧しいので先生になれるかどうかはわかりません。
■ ハット スレイ リークさん(13才)
金属くずを集めます
おうちの前で妹と
私、兄そして妹は、祖母の家に身を寄せました。その祖母は年老いていて、病気がちで貧しいのです。私と妹は放課後と休みの日には金属くずを集め、兄は牛の面倒を見る等の仕事を見つけて生活費を稼がなければなりません。
私の兄は、昨年小学校を卒業しました。妹は5年生になります。私は中学校に行けるかどうかはわかりません。なぜなら、兄は学校に行くために必要な筆記用具や洋服、自転車がなかったので中学校進学をあきらめたからです。
■ ペック ナリさん(13才)
おうちの前で
私は、将来は先生になりたいと思っています。私は勉強が好きで学校を続けたいです。成績も悪くないのです。
私には兄弟がいません。私と家族は他人の土地に建てた掘っ立て小屋に住んでいます。父は体が弱く、母も定職がなく一日の収入は15,000リエル(日本円で約400円)です。私も家計を助けるため休日に仕事を探します。
私は勉強を続けたいのです。なぜなら私は本当に先生になりたいのです。私は今年小学校を卒業したので秋には中学生です。でも、中学校に行けるかどうかはわかりません。うちには畑もありませんし、家を建てる土地もありません。中学校で勉強するには学用品が必要でそれらを買う余裕はうちにはありません。
「ダルニー奨学金」制度は、経済的貧困で中学生教育を受けられない子どもたちを支援する国際教育里親システムです。ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える”1対1の顔の見える教育支援”です。14,400円で1人の子どもが1年間中学校に通うことができます。