【ラオス】少数民族教師養成奨学金 4年制支援へ変わります
民際センターでは2004年より「ラオス少数民族教師養成奨学金」を通じ、教師を目指す少数民族出身の学生たちを支援してまいりました。このたびラオス政府の教育政策の方針により、支援対象となる各教師養成短期大学にて、2年制コースの廃止が決定されました。これにより2023年秋の新学期から、同大学では4年制コースのみがカリキュラムとして継続され、以降、学生が教師になるためには4年制コースの修了が必須となります。
今年度新たに教師養成大学へ入学する新1年生は「4年制コース」のみ専攻が可能です。一方、今秋に2年生へ進級する生徒は継続して「2年制コース」を履修することができ、2年制コース修了後に卒業を迎えます。
2年制コース廃止に伴い、民際センターではラオス事業所とともに、今後の支援の方向性を議論してまいりました。本奨学金の目的は設立当初より一貫して、小学校入学前後に起こる生徒の言葉の障壁を取り除き、初等教育における中途退学を防ぐことと、教師不足の改善にあります。少数民族が暮らす村々は大学のある都市部から遠く離れた地域にあることが多く、自宅から片道4~5時間かかる学生もいます。本奨学金には学費だけでなく寮費・食費などの生活費も含まれるため、学業・生活の両面から少数民族学生をサポートする奨学金支援の意義は非常に大きいと言えます。また現在、同大学4年制コースで教師を目指す学生のうち、約半数が少数民族出身であり、2年制コースの学生同様、都市部の学生に比べて教育レベル及び経済面での格差は未だ大きく、学び続けるための支援を必要としています。
これらすべてを鑑み、民際センターでは2023年度秋の新入学分より「ラオス少数民族教師養成奨学金」による支援期間を2年間から4年間へ変更し、今後も本奨学金事業を継続していくことを決定いたしましたので、皆様にお知らせいたします。
■支援の概要と奨学金等提供スケジュール(2023年度新入生以降)
・概要
少数民族教師養成奨学金は、教師養成大学(4年制)に通う生徒を支援します。4年制コースを修了した生徒は、小学校の教員免許(付属の幼稚園での小学校準備過程クラスを含む)を取得し、少数民族の村で教鞭をとることを目指します。奨学金は、用途にあわせて下記のタイミングで提供されます。
・入学、進級時期と「奨学金証書」「報告書」お届けのスケジュール
*6月の最終試験後、卒業式に出席できない学生もいるため、卒業報告書の作成に時間がかかります。
*ご送付は現地でのオペレーション、郵便事情等で1~2ヶ月遅れる場合があります。
・ご支援額
【卒業するまでの 4年間】1名あたり 60万円(15万円/年)
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■昨年度 卒業生からのメッセージ
卒業証書を片手に微笑むヨーンさん
私を支えてくださったご支援者様へ
今日という日を迎えられ、大変嬉しく思います。サワンナケート教師養成短期大学から卒業証書を受け取ることができたからです。ひとこと感謝の気持ちをお伝えしたくて、お手紙を書いています。
ここでの学びは私の人生において大変意義があります。いままでご親切に支えていただいたことを、決して忘れることはありません。あなたからの奨学金がなければ、教師養成コースを修了することなど到底できなかったからです。素晴らしい学生生活を送ることができたことに、心からお礼申し上げます。最後になりますが、ご支援者様とご家族様の、ご健康とお幸せをお祈りいたします。
ヨーン ダンマニー
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「少数民族教師養成奨学金」は、サーラワン県、サワンナケート県にある2つの教師養成大学へ通う少数民族出身の学生たちを支援します。本奨学金によるご支援は、少数民族の学生が教師になる道を切り拓くだけでなく、少数民族の子どもたちが民族固有の言葉とともに、公用語であるラオ語を新たに用いながら初等教育を学びぬき、その後の中等教育へとつなげるためのサポートも意味します。
ラオスの国家教育予算が削減され、教師の採用枠も減少傾向にある中、それでも故郷の村で子どもたちを教えたいと熱望する少数民族学生たちへのご支援を、ぜひご検討いただけますようお願いいたします。
ラオス少数民族教師養成奨学金について