東日本大震災で被災した「陸前高田市立第一中学校」で講演をしました
東日本大震災において、親を亡くしたり、家を流されたりしたにもかかわらず、自分の悲しみを一旦脇に置いて、体育館に避難した人々を支援した中学校としてニュースにしばしば取り上げられた陸前高田市立第一中学校は、1997年から現在まで書き損じハガキを集めてタイの中学生を支援し続けています。
また、数年前から毎年5月頃、3年生時に行う東京への修学旅行で同校の一グループが民際センター事務局に立ち寄り、タイの子どもの状況について職員から話を聞き、学校に帰ってから他の生徒に伝える作業を行ない、支援の継続に努めてきました。
昨年3月11日に発生した東日本大震災の被災者に対して、タイで集めた484,208バーツ(約130万円)の寄付金を、4月26日に理事長の秋尾が同中学を訪れ、手渡しました。
10月にタイで「50年に1度」とも言われる大洪水が起こると、今度は、同校が文化祭で募金活動を行い、約10万円のお金を被災した学校向けに寄付しました。
支援しているヤマハ・ゴスペル☆スギモト・クワイアが木更津市のホールでチャリティコンサートを開催し、その募金の半額を東日本大震災で被災した中学校の支援に活用することになりました。
陸前高田市立第一中学の先生と協議したところ、「生徒は寄付の大切さを実感していると思う。今後はお礼や感謝の気持ちを発信していきたい。引き続き書き損じハガキを集め、タイの子どもたちの支援は続けていきます。」「単に金銭や物品を受けるのではなく、支援先のタイの子どもたちの状況について話を聞きたい。その話を聞くことで、生徒が自分の力で生きるエネルギーを蓄えることができるような話をして欲しい。」と希望を述べられました。
そこで、今年1月31日(水)に民際センター職員が同校を訪れ、タイについての国際理解の授業をすることになりました。
<陸前高田市の中心街の様子>
<陸前高田市の中心街にある図書館>
<陸前高田市の中心街の公民館>
当日の講演では、世界の貧困状況(例えば、1日1ドル以下で生活する人口が12億人)、世界の子どもの状況(例えば、発展途上国の小学5年生まで残る在籍率は67%)を話した後、タイの経済発展やスラムの存在などに触れてタイという国の概要を把握してもらい、貧困の原因とタイ東北地方の子どもたちの教育状況や経済的に貧しい子どもの具体例を紹介しました。
<陸前高田市立第一中学校の体育館で講演>
※3月11日の午前中が体育館の竣工式でしたが、午後には震災の避難所になりました。校庭は今でも仮設住宅地として使用されています。
また、同行したタイの留学生、ゲットさんがタイ舞踊を披露し、タイの素晴らしい伝統文化も紹介しました。
今回の講演で、陸前高田市立第一中学の生徒たちは支援の必要性と自分たちの支援活動の意義を再確認してくれたのではないかと思います。
同校とタイの中学生たちとの「支え・支えられる」「絆・助け合い」の関係がますます強く太くなることを願っています。