奨学金が私の人生を変えました! タイ
サワディー クラップ(タイ語でこんにちは)!
私の名前はナチャワット ワンヒルンクルです。ニックと呼んでください。
私は20歳で、タイの東北部イサーン地方のラジャマンガラ工科大学のスリンキャンパスで英語を専攻する大学2年生です。
両親は私が幼い頃に離婚したので、私の家族は母と姉と祖父です。私の家庭はとても貧しく、日々暮らすので精一杯です。かつては祖父の持ち家に住んでいたのですが、私たちには借金があり、家は差し押さえられてしまいました。現在、祖父と母は親類の家に身を寄せ、私は最近一月1,000バーツ(日本円で約3,500円)でワンルームの部屋を借りて生活しています。
祖父はとても高齢で車の事故に遭って以来、働けなくなりました。唯一の収入は月700バーツ(日本円で約2,400円)の国民年金です。母も長い間、病を患っていて、仕事を探しても健康面で却下されてしまい、書類審査で不採用になります。このように、私たち家族はたくさんの問題を抱え暮らしています。
私の父は再婚し、タイの南部ナコーンシータマラート県で低賃金のゴム製造の仕事をしていました。時々、父は2000バーツ(日本円で約7,000円)ほどのお金を、私たちの暮らしのために送ってくれていましたが、家族皆が生活していくためには足りませんでした。
さらにその後、父が脳卒中を患い、身体が麻痺し、毎日理学療法を受けなければならなくなりました。この治療はいくらか助けになりますが、根本的な回復には至らず、今までのように働くことはできません。
幸いなことに、私の姉はとても勉強熱心で、技術高等専門学校卒業後は、大学で学びながら、トヨタで技術を学び収入も得ることができるトヨタの奨学金を受け、タイ中部のチャチューンサオ県の寮で生活し、来年卒業を迎えようとしています。
家庭の経済的な理由で学校を辞めなければならないという危機的な状況に直面していた頃に、奨学金支援を受けたいへん助かりました。奨学金によって、まさに私の人生は救われました。その時の奨学金の支援なしでは、私は高校を卒業することはできず、現在大学へも進学できていなかったでしょう。
その後私は高校を卒業し、大学受験に合格しました。大学の費用を自分で稼ぐために、できる限りパートタイムの仕事を掛け持ちし、お金を節約し、教育費に活かすことができました。そして、学業に専念し、家族を助けることができるようになることだけを目指し、頑張ってきました。
高校生の時から現在に至るまで、週末はずっと働いています。パートタイムでロビンソン百貨店のSwensenのアイスクリーム店のスタッフとして時給41バーツ(日本円で約150円)で働いています。 私の収入は全て、家族の生活費と私の学費として母に渡しています。大学を卒業したら、家族皆のために、雇用が安定している事務官として働くか、給料の良い企業で働きたいと思っています。
最後に、私に奨学金をくださった支援者の方へ感謝をお伝えしたいです。あなたは私の学校生活で最もたいへんな時に私を救ってくれました。あなたのサポートがなければ、現在、私の将来につながる教育の機会は断たれ、大学に通うという夢を叶えることはできなかったことでしょう。
ダルニー奨学金は特に貧しい家庭に生まれた生徒たちへの意味あるサポートだと思います。お金に余裕がある方々にとってはわずかなことかもしれませんが、私のようにその日その日を生きていくことがたいへんな家庭に生まれた者にとっては、それはとても大きく貴重な支援です。
私は、私のように恵まれず貧しい家庭に生まれた若い奨学生たちに、伝えたいことがあります。それは、「自分の価値を下げないで」ということです。確かに特に勉強においては他の人より倍の努力が必要となるでしょう。しかし、教育は貧しく困難の中に生きる人にとって、様々な可能性の扉を開く鍵です。恵まれない人生の中にあってもあなたたちの夢を叶えるために、どうぞ強くあってください。
注釈:ナチャワットは自分で学費を稼ぎつつ勉強していますが、成績は非常に優秀です。(2019年度の成績は3.83)彼はいつも英語とタイ語両方でのスピーチコンテストに大学の代表として出場しています。
「ダルニー奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際里親制度の教育支援システムです。1日当たり40円、月々1,200円、年間14,400円の支援で、子どもが1年間学校に通うことができます。
タイの締切は3月20日です。