タイの中途退学阻止キャンペーン(SDS)支援を受けた生徒から感謝の声
ティーラサック・ケーオトゥールくん、15歳。タイのルーイ県に住む中学3年生です。今年3月にタイのSDS – Save the Dropout Students -(中途退学阻止キャンペーン)の募集をいたしましたが、その際に奨学金支援を希望した生徒の一人です。その彼が、この度ダルニー奨学金の支援を1年間受けることができるようになり、喜びの声が届きましたので紹介します。
「先生から奨学金がもらえると聞いた時、とても緊張しましたが嬉しかったです。また、寄付者の方が日本人だと知り、日本人から奨学金をいただけるなんて思ったことがなかったので、さらに嬉しくなりました。僕は今年、中学3年生になりますが、その1年分の奨学金をいただきました。このお金は学校で必要な費用として大切に使い、出来るだけ進学するために貯金したいと思います。」
彼が奨学金を希望した背景を、奨学金申請時に彼が書いた手紙から紹介します。
僕は以前、両親・祖父母と一緒に暮らしていました。しかし、8歳の時に両親が離婚し、それぞれが新しい家庭を持ち、その時から祖父母に育てられました。祖父母はロッタリー(タイの宝くじ)を販売する仕事をしていて、バイクで村を回って売っていました。しかし2年前、祖母はその仕事中に交通事故で亡くなりました。
祖父が僕の面倒を見ることになりましたが、祖父は精神疾患を患っており、病院で治療を受ける必要があり、実際にの面倒を見てくれる人はいなくなりました。そこで、母は僕を学校の寮に入れ、先生が面倒を見てくれることになりました。母は週末には僕に会いにきてくれますが、寮では自分で日常のことをしなければなりません。例えば、制服の準備、部屋の掃除、夕食の料理、そして先生の手伝いで野菜の世話もします。
グラスを持っているのがティーラサックくん
僕は生まれつき白血病を患っており、月に1度病院に行って輸血が必要です。祖母が生きていた頃は祖母が病院に連れて行ってくれましたが、祖母が亡くなってからは母が代わりに連れて行ってくれます。母が仕事で忙しい時は、先生が付き添ってくれます。病気による頭痛やめまいで意識を失うことがあるため、走ったり激しい運動はできず、体育の授業はできる範囲で参加することが許されています。
僕は国語(タイ語)と美術の勉強が好きです。中学を卒業したら技術専門学校に進学したいと思っています。夢はシェフになることです。寮でも自分で料理の練習をしてきたので、将来シェフになるために学校で学びたいと思っています。奨学金をいただけたら、新学期の制服や学用品を購入するために貯金しておき、残りは病院に行くための交通費にしたいと思っています。
「ダルニー奨学金」「HOPE奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際教育里親制度です。皆様からのご支援、お待ちしております。