タイ 子どもたちの夢を叶えるために1
通りで花輪を売る少女
サカンヤは小学6年生の女の子。家族は祖父、祖母、父、母、兄、いとこ、と彼女の7人です。彼らは小さい、セメントでできた平屋作りの家に一緒に暮らしています。祖母は老いていて健康状態が良くないため、働く事が出来ず、時折、医者にもかかっています。両親は仏様にお供えする花輪を売って生計を立てています。毎日、花輪にする花をマーケットで買い、交通量の多い交差点で売るのです。もし、その花輪が売れなかったらどうなるのでしょう。彼らは、さらなる借金をしなければ生きていけません。サカンヤの家庭は子どもたちの教育費や祖母の薬代支払いのため、30,000バーツ(日本円で約90,000円)を村から借りなければならないほど困窮しています。
家族で花輪を作る
通りで花輪を売るサカンヤ
両親は、彼らの子ども(サカンヤとその兄)だけではなく甥(サカンヤのいこと)の教育費も支払わなければなりません。その甥の母(サカンヤの叔母)は彼をサカンヤの両親に預けてバンコクに働きに行ってしまいました。
週末、サカンヤと兄は当然のように両親を手伝って路上で花を売りますが、両親はそうしてほしくない、子どもたちにもっと勉強してほしい、その時間は学校の授業を復習してほしいと本当は思っているのです。そして、車が多く行き交う危険な場所に彼らを行かせたくないのです。
サカンヤ(右から2番目)、両親といとこ
サカンヤは、優秀で責任感の強い少女です。彼女は学校の皆から愛されていて、早朝の清掃等の学校行事にも積極的に参加しています。彼女は、学校のバレーボールクラブにも所属しています。そして、もっと勉強して将来は先生になって、彼女のように経済的に恵まれない子どもを減らすことが彼女の夢なのです。
「ダルニー奨学金は経済的に恵まれない子どもたちに教育の機会を与えて、その親たちの負担も減らします。」と彼女は言います。「その支援は、子どもたちの将来に対して大変大きな意味を持つのです。もし、私が奨学金をもらえたなら、両親の負担が減って、そして来年中学校に行くことができます。」と続けました。
「ダルニー奨学金」制度は、経済的貧困で中学教育を受けられない子どもたちを支援する国際教育里親システムです。ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える”1対1の顔の見える教育支援”です。14,400円で1人の子どもが1年間中学校に通うことができます。