タイ 子どもたちの夢を叶えるために3
小学校六年生のハタイチップは、祖父母と暮らしています。小さい時に父は亡くなり、母は再婚して彼女を祖父母に預けて出て行ってしまいました。祖父母は生活が苦しい中でも、ハタイチップを大切に育てています。
彼女の祖父母は農民です。米やイモを育てて生活しています。でも、収入は家族3人が暮らしていくには充分ではありません。なので、彼らは借金をしてなんとか生活をしていますが一向に暮らし向きは良くならず、借金は増えるばかりです。彼らの住む家は古く、トタンの屋根は壊れていて水漏れします。そのような家では、雨期は特に雨漏りして大変です。
家の前で
祖母と一緒に
ハタイチップは言います。「家の借金を減らすために出来る限り、祖父母の手伝いをします。そして、無駄遣いはしません。祖母は、心の病を患っている私の叔父の面倒も見なければならないのです。」
彼女は最近の嬉しかったことについても話してくれました。「先日、私はロイクラトン祭り(地元のお祭り)の美少女コンテスに出場し、優勝しました!そして、賞金として1,700バーツ(日本円で約5,800円)をもらってとても嬉しかったです。それは、今まで私が見た一番高額なお金です。そして、すべてを生活費として祖母に渡しました。 生活は苦しいですが、私は祖父母が大好きです。彼らは、私を守り、応援し、そして愛してくれます。」
美少女コンテストの様子(右から二番目がハタイチップ)
セパタクローをするハタイチップ
彼女は、日常生活についても話してくれました。「毎朝、5時半に起きて家族の朝食を作ります。学校では、担当の掃除等の決められた役割を果たします。昼食後は、(校内放送の担当なので)全校生徒に学校生活を送るうえで必要な情報をアナウンスします。特に火曜日の朝は重要で、その週の最新情報を伝えます。運動も好きで、学校ではセパタクローをします。放課後は、祖母の家事や畑仕事を手伝います。祖母は米やキャッサバ(イモ)を作っています。その後、シャワーを浴び、宿題をして7時ごろには寝ます。週末は終日、祖父母の畑仕事を手伝います。」
ハタイチップは医者になるのが夢で、祖父母や病気の人々を助けたいと思っています。彼女は「ダルニー奨学金は、経済的に恵まれない子どもに教育を受けさせてくれ、より良い未来をくれます。もし、奨学金をもらえたら、学業に必要なものに使います。」と話しました。
「ダルニー奨学金」制度は、経済的貧困で中学教育を受けられない子どもたちを支援する国際教育里親システムです。ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える”1対1の顔の見える教育支援”です。14,400円で1人の子どもが1年間中学校に通うことができます。