【ベトナム】奨学金が変えた人生：母のために中学中退を考えた少女が医科大学へ

今から10年前のベトナム北部・タイビン省で、母子家庭に育った1人の女子中学生が、母親の負担を減らそうと学校を中途退学することを考えていました。そんな時、彼女はダルニー奨学金に出会い、日本からのサポートを受けて学び続けることができました。その後、努力を重ねた元奨学生は今、医科大学卒業というゴールを成し遂げようとしています。支援への感謝のメッセージをご紹介します。(2024年5月頃に書かれた手紙です／本生徒は複数の支援者様から奨学金支援を受けましたが、この手紙はその一部をご紹介しています)

2024年度のカンボジア・ラオス・ベトナムの奨学金の締切は、本日7月31日です。ぜひ、ご支援のご検討をお願いいたします。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

親愛なる K様

初めに自己紹介をさせてください。私の名前はドー・ティ・トゥ・ガン(Do Thi Thu Ngan)です。現在、タイビン医科大学で学士号を取るため、最終学年で学んでいます。

いま、大学の講義室の椅子に座ってタイビン省での奨学金授与式の記事を読んでいます。自分が中学生だった頃のことを思い出し、色々な気持ちが込み上げてきます。私はかつてこうした奨学金を受け取ることができた幸運な生徒の一人でした。

幼い頃、家は貧しく、自分の父親を知りませんでした。シングルマザーの母にとって、女手一つで私を育てることは容易ではありませんでした。だからでしょうか、同年代の友人たちよりも私は考え方が大人びていました。家庭の経済的負担を減らすため、私は学校を中途退学しようと考えました。そんな時、幸運なことに地元の赤十字を通じて民際センターを知り、K様からのご支援を受けて、学校をやめずに学び続けることができたのです。ダルニー奨学金のおかげで、当時の母の金銭的負担は半分になりました。4年間の中学校生活で受けたサポートはその後、高校進学という道までも切り開いてくれました。そして努力を重ね、今こうしてタイビン医科大学の講義室に座っている私がいます。一度もお目にかかったことはありませんが、あなたのご支援に救われたことは、困難を乗り越える力となり、人生を歩むためのモチベーションとなりました。この特別な気持ちを、民際センターと支援者であるK様へ、深い感謝とともにお伝えします。私の人生に手を差し伸べてくださってありがとうございます。

大学卒業まで残り1か月ほどとなり、看護学士を取得することになります。私は、これまで学んだことを生かして人々を救い、特に貧しい方々の力になりたいと思っています。また、多くの学生に「夢をもって飛び立ちなさい、すべての努力はいつか必ず誰かに支えられるでしょう」と伝えていきたいです。

いつの日か直接お会いして、この感謝の気持ちをあなたへ伝えられたらと願っています。いつまでもお元気でいてください。そしてタイビン省の恵まれない生徒たちが、このようなサポートをもっともっと受けられるよう祈ります。

心を込めて

タイビン省ティエンハイ県ナムホン中学校卒業生

ドー・ティ・トゥ・ガン

ドー・ティ・トゥ・ガンさんは、2022－2023年度”Students of 5 Merits”（5つの功労賞*）を受賞しました。*ベトナムの学生、とくに大学生にとって最も名誉ある賞であり、5つの基準（学業、道徳性、ボランティア精神、体力、統合力）に基づき授与されます。

「ダルニー奨学金」「HOPE奨学金」は、ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える、顔が見える、成長が見守れる、1対1の国際教育里親制度です。皆様からのご支援、お待ちしております。

カンボジア・ラオス・ベトナムの奨学金の締切は7月31日です