高校受験を控えたベトナムのダルニー奨学生
ダルニー奨学金のおかげで、中学校を卒業しようとするベトナムの中学4年生がいます。彼は、勉強を続けることをあきらめかけていましたが、奨学金のおかげで、続けることができました。そして、高校を受験する機会を得ました。受験を翌日に控えた彼の手紙を紹介します。
勉強を続けるために、高校の入学試験を受けます。今私は、非常に緊張と不安でいっぱいですが、希望を持っています。
私の父は麻薬のために、はやくに家をでてしまいました。そのため、私は自己卑下と不安の中で、いつも生きてきました。
たとえ進級できたとしても、経済的理由で、常に学校をやめなければならないという不安がつきまといました。
ベトナムの正月では、親族一同が集まり、食べ物や贈り物を持ち寄ります。その時、私達家族は何も準備できないので、落ち込んで惨めな気持ちになります。
それに、友達に遊びに誘われるのではという心配をしていました。経済的に厳しい我が家では、そのような時にお金がないからです。
学校の同級生は、経済的に困っている人たちの話を私に聞こえるようにして、ばかにします。
私は貧しい家庭に生まれ、成績は真ん中くらいの生徒でした。多くの海外からの支援は、成績が優秀で貧しい生徒が対象となります。私のような成績が真ん中の生徒には、奨学金の機会にめぐまれないということになります。しかし、ダルニー奨学金は、「より貧しい」が選考基準となっているため、私のような子どもも支援の対象となります。
中学4年生になると、家計を助けるために仕事に就くことを決意し、中途退学をしようとしていました。はるか遠い日本からの支援により、未来を変え、勉強を続けることができるようになりました。勉強を頑張り、奨学金提供者とEDFの好意にこたえるために、私が直面している経済的困難を乗り越えようと決意したのです。
驚くことに、成績が真ん中だった私は、好成績で中学校を卒業しようとしています。
そして、私は高校の入学試験を受験することにしました。
支援をしてくださった方、EDFベトナム、民際センターに感謝申し上げます。
小学校を卒業した子どもたちが、中学教育を受けることでその子の人生は大きく変わります。今、私たちが、これらの子どもに就学教育支援をし、中学教育を受けさせることで、きっと貧困から抜け出し、自立する力をつけるでしょう。
「ダルニー奨学金」制度は、経済的貧困で中学生教育を受けられない子どもたちを支援する国際教育里親システムです。ドナー1人につき1人の子どもを支援し、子どもには誰が支援してくれているのかを伝える”1対1の顔の見える教育支援”です。14,400円で1人の子どもが1年間中学校に通うことができます。