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5月 2012
エッセイスト 酒井順子さんのラオス訪問記が「新潮45」6月号に掲載されました。
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2010年からダルニー奨学金を支援しているエッセイストの酒井順子さんが今年1月、支援しているラオスの奨学生に会いにラオス・カムアン県のカムハエ村を訪問しました。
そして、その訪問記を執筆され、今月18日発売の「新潮45」(定価840円)に掲載されました。
「到着しましたよ~」
という声が聞こえて目を覚ました瞬間、私は度肝を抜かれたのでした。
で始まる訪問記。酒井さんは2泊したカムハエ村で、さまざまな驚きや発見をしながら子どもたちや村人と交流を深めていきました。
そして、支援している奨学生の女の子ローちゃん宅を訪問して、彼女の家事労働について聞いたり、子どもたちが毎日行なっている水汲みを体験したりしながら、ラオスの子どもたちの生活について理解を深めたようです。
11ページにわたって酒井さんの体験が綴られていますが、この体験は酒井さんに幸せについて改めて考える機会を提供したようです。
震災と原発事故、そして長期にわたる日本経済の凋落傾向。
そんな中で生きる私達は、「成長し続けることが幸せか?」と自問する日々を過ごしています。
そんな中でカムハエ村にやってきて、この国と我が国、どちらの事情が「良い」のか、私はわからなくなったのでした。
水汲みも薪割りも、確かに大変なことではあります。しかしその大変さは、都会における日々のストレスより重いものなのであろうか、と。
酒井さんの簡明でほのぼのとした文体。
それでいて鋭い視点でラオスという国を描写するエッセイ(それが逆照射して、日本の社会についても考えさせられます)。
ぜひ皆さんもご一読ください。